「Loser's Parade」

for さえない日々

「SAYONARA」はJapanese Farewell Song

SAKEROCKの「SAYONARA」というラストアルバムの名前は、マーティン・デニーの曲名から取られている。これは、先日配布されたタワーレコードのフリーマガジン「bounce」377号のインタビュー記事で星野リーダーが語っていたもの。「マーティン・デニーの曲名から取ったSAKEROCKが、マーティン・デニーの曲名から引用したSAYONARAというタイトルのアルバムをもって解散するっていうオチがついた」というが、まさにそのとおりだ。
ちなみにこれが、マーティン・デニーによる「Japanese Farewell Song(SAYONARA)」。


実はこの曲、元はインストではなく、歌詞もちゃんとある曲。そしてそれを、細野晴臣がカバーしている。収録されているのは「泰安洋行」。SAKEROCKの『慰安旅行』の曲名元ネタと噂されるものであり、今度出版される星野源細野晴臣の対談集「地平線の相談」の表紙元ネタにもなっている。
泰安洋行(紙ジャケット仕様)
泰安洋行(紙ジャケット仕様)
地平線の相談
地平線の相談
(なお「地平線の相談」というタイトルの元ネタは、細野さんが1979年に出版した「地平線の階段」。引用だらけ!)
そしてこれは、ティン・パン・アレイでの演奏による「“Sayonara”,The Japanese Farewell Song」。

大元をたどれば、どうやら1950年代の曲で、後にハリウッド映画「Sayonara」に使用されたものらしい(そのあたりの分析はこちらのサイトに非常に詳しく説明されております)。
というわけで、起源はこれ。

それをマーティン・デニーだけではなくサム・クックがカバーしていたり、

矢野顕子も「LOVE LIFE」でカバーしている(映像はなかったけどiTunesで視聴できる)。


いろいろ予備知識ばっかり並べてきたけど、とりあえず言いたいことは、マーティン・デニーだけを回収しただけではなく、SAKEROCK結成のルーツともなる細野晴臣をも回収しているあたりが、なんともニクいと思ったのでした。ちなみにこの曲、イントロがギターとピアノだけで、後にバンドサウンドになっていくそうなのだが、これは星野源野村卓史の二人で始まり、徐々にバンドメンバーが揃っていくのを表しているらしい。なんだその演出!ずるい!もう泣ける!わーん!


様々な思いが込められた「SAYONARA」というタイトルなのだが、それに対して僕はSAKEROCKの曲名で答えてみたい。


「Matakitene!」