「Loser's Parade」

for さえない日々

ダイナマイト関西2010 second@ディファ有明

「今年は集客人数を最低後楽園ホールクラス以上の規模の大会を最低四回は開催する」と宣言していたバッファロー吾郎、木村明浩館長。そのために春にはディファ有明後楽園ホール同様のキャパ数)にて開催。更に「D関無双」というイベントも並行してスタートし、新たな大喜利戦士の発掘、育成を目論んでいる。
さて、こうして今年のダイナマイト関西は仕掛けが多いにもかかわらず、2010年も8ヶ月が経ったというのにまだ観覧に行けていませんでした。2年前のダイナマイト関西は毎週のように予選を見に新宿ルミネへ通っていたというのに。というわけでようやくダイナマイト関西 secondへ。ちなみにディファ有明って、格闘技に疎い自分でもなんか聞いたことあるなーって思ってたんですが、2003年に水曜どうでしょうが関東で初めてトークイベントを開催したところでしたね。あー、あのときの会場がここだったのか。
当日のラインナップは以下のとおりでした。

それでは、時系列に沿って振り返っていきたいと思います。

【オープニングシングルマッチケンドーコバヤシ VS 野性爆弾川島
もう、対戦前VTRから面白い。「ケンコバさんが負けたらコンドーム一丁で全てのレギュラー番組に出てもらいます!」「おー、わかった!」、くーちゃんが得意のガムテープアートで「ペンチに挟まれたやなぎ浩二」を作ると「俺がやなぎ浩二の隠し子と知ってのことか!この喧嘩、買ったる!」とコバ。最終的にはスペースかりそめ大明神までも登場。完全にフザけきってました。
そして肝心の対決も、なんだか別の次元に突入。「絶対結婚してもらえないプロポーズの言葉とは?」というお題にはド下ネタのラッシュ、「密かに進行している東京の改造計画とは?」のお題に「名前を蟲ヶ峰に変える」と答えるくーちゃんは、回答提示前にMCの浅越ゴエに「峰」という漢字を教えてもらったり。どんな流れか忘れましたが、回答に「およだ」と書いたその言語センスはさすがです(恐らく「よだれ」のこと)。結局コバの勝利となったのですが、オープニングマッチとしてかなりの盛り上がりました。試合後のコメントで「俺ら、タッグを組む!」→客席「おー!!」→コバ「まえだまえだとのタッグマッチ組め!」→木村「組みません!」の流れまで、最高。
それにしても木村館長が「あの二人がゴールデンに出てるのが信じられない。片方は昼間から鬼ころし飲んでたような人ですよ?やっぱり面白い人はちゃんと世に出るんやなー」と話していたのが印象深い。場が暖まったところでいよいよトーナメント突入。
【1回戦第1試合】カリカ家城×サンドウィッチマン富澤
平原綾香の『ジュピター』に乗ってやってきた家城と、なんと筋肉少女帯の『人間嫌いの歌』を出囃子にした富澤(あとで知りましたが富澤はラジオのエンディングテーマにこれをかけるくらい筋少好きなんですね)。「ブサイク繋がり」の二人の対決はどちらも譲らず、均衡した試合。「日本一偏差値が低い高校の修学旅行で起こった事件は?」での富澤の「ニワトリの鳴きマネが止まらない」が印象的。結果、サンド富澤の勝利でカリカ家城がここで敗退。それにしても家城とサンドって、仲がいいんですね。
【1回戦第2試合】小籔千豊 VS マッスル坂井
吉本新喜劇の座長と、プロレス団体マッスルの主催対決。マッスル坂井は先日、実家の金型工場を継ぐため引退を発表しました。そんな勇姿を見届けるという目的もこの日はあったのですが、マッスルはこの日、「映像制作」という任務も兼ねていました。各出演者の登場VTRを担当されたのですが、これがまた…ものすごいクオリティ。CGなんてくそくらえ!ってくらいの手作り感あふれる合成作品。これはもう、文字では伝えられないクオリティでした。
そんなマッスル、「動物園で虎に噛まれた飼育員が言った言葉とは」というお題に対して先制攻撃で「いタイガー!(痛い)」「虎ブル発生!」「虎イミー(try me)!」「噛みングスーン!」と立て続けにラッシュ。「地獄に来てみたら意外と楽しそう。その理由とは?」というお題に対しても「マスコミが取材に来た」などと結構いい感じだったのですが、惜しくもサドンデスで小藪の勝利。
【1回戦第3試合】博多大吉 VS つんく♂
つんく♂ってどうなんだ?大丈夫なのか?岡田斗司夫みたいな雰囲気になるんじゃないか?と不安だったのですが、なかなかにいい答えを出していました。しかし、博多大吉はこの日、本当に強かった。
「アメリカの銭湯、日本と何が違う?」に対して「シャワーしかない」という、まさに正解の回答を出したつんくに対して、「レッドブルの在庫が異常」という大吉。このときから、大吉の答えに毎回ワクワクさせられました。そしてその後のお題、「女子プロ野球の人気をもっと上げる方法とは?」という答えに対して間髪入れずに大吉は「まず欽ちゃんを遠ざける」という毒回答。今回初の観客の大笑いと「これには反応が難しいです。浅井企画のファイターがいなくてよかったです…。」と困った顔の解説席。しかし、まさかこの直後、これを超えるどよめきが起きるとは。その回答とは、つんくが出した「とりあえずベンチ入りを48人にする」!これには観客も解説席も「おおー…!」。「今のはつんくさんしかポイント奪えないですよ!」と木村館長が言っていたとおり、まさにこの時期にしか、そしてこの人にしか書けないこの回答。これだけでつんくが出場した意義がありました。
しかし、この日の大吉は本当に強く、解き放たれたかのように毒をまき散らして蹴散らしました。ちなみにこの対決、「26歳ブレイク説」を提唱している大吉と、まさに「ズルイ女」がミリオンヒットしたのが26歳だったつんく、という対決でした。
【1回戦第4試合】しずる池田 VS サンドウィッチマン伊達
この対決、とにかく二人が楽しそうでした。というか、二人の回答がなんだか朗らか。今までの真剣勝負がウソみたいに、チャンバラごっこの様子。しかし、この対決で収穫だったのは、しずる池田の静かなる狂気でした。あの人、実は狂ってるんですね。「お寺にてお坊さんのテンションが急上昇。何があった?」というお題に対しての「賽銭箱におっぱいが入っていた」という回答は狂気しか感じられませんでした。怖い!しかしその後の「木魚が楽しい!」というピュアな回答は面白かった。そしてそれに続く伊達の「東大寺からオファーが来た」というのもよかった。この“雨の日の休み時間”対決、制したのは池田でした。
【特別タッグマッチ】バッファロー吾郎 VS サバンナ
休憩を挟んで開始されたのは、特別タッグマッチ。この対決、目玉は対戦ではなく、コバとくーちゃんによる解説でした。館長に関するプライベート情報をコバが暴露すると「うるさい!ちゃんと解説しろ!」と木村館長が反撃するも「そんなこと喋ってる暇があったら答えんかい!」と、まったく解説する気はなし。執拗に二人で館長を潰しに喧嘩をふっかけていました。片やサバンナ八木に対しては「まっすー、かわいいわ〜」「あの頬骨がかわいい」と執拗に褒めちぎり。試合のほうですが、「あいつ夏休み中に童貞捨てた!なぜわかった?」というお題に対して「自信に満ち溢れていた」という、まさかの「それ、正解!」を回答した八木の活躍もあり、サバンナの勝利となりました。
【準決勝第1試合】サンドウィッチマン富澤 VS 小籔千豊
この試合の見所は、なんといっても解説に座った伊達のまさかの相方つぶしでしょう。「男塾ネタが出てきたらネタがなくなった証拠ですよ!」と漏らしてしまい(前の対戦でも男塾ネタは出していた)、サドンデスに縺れ込んでのお題「頂上に登った人しか知らないエベレストの秘密は?」というお題に対し、サドンデスだから1つしか答えられないって行ってるのに、見事に相方のフリに答えて「江田島平八がいる!」と回答してしまう富澤。試合には負けましたが、コンビで盛り上げてくれました。
【準決勝第2試合】博多大吉 VS しずる池田
池田がテンポよくバカっぽい回答を繰り広げたんですが、それに勝る大吉の圧倒的大喜利力よ。淡々と答え続けるその姿はまるで殺し屋。「徹子の部屋、話題の新コーナーとは?」のお題に「久米のダメ出し」「週刊!ファミコン裏技倶楽部」など、殺傷能力が高い回答をどんどん繰り広げ、あっという間にKO勝ち。強い!前に見たときはここまで圧倒的ではなかったと思ったのに、ここ最近のテレビでの活躍に乗じてスキルが格段に上がっている印象を受けました。
【決勝戦】小籔千豊 VS 博多大吉
さて、ここはもう何も言わず、印象的だった博多大吉の回答をピックアップしていきましょう。

  • 「マジシャン養成学校ならではの校則とは?」
    • 「あらゆる鳩を愛しなさい」
  • 「芸能界を目指す小学生にアドバイスして下さい」
    • 「とりあえず東京に行け」
    • 「まえだまえだは無視してよし」
    • 「最初はテレ東からだろうね」
    • 「その顔で?」
  • 「『羽根のない扇風機』より凄い最新家電とは?」
    • 「夢のないドライヤー」

ここまでですでに4ポイント奪取していて、あと1点、という場面だったのですが、決勝戦のためなかなかポイントが移動しない。そして、最後となったお題が

これに対して「水兵さんは船を持っていません」などとなかなか殺傷能力の高い回答が出るも、まだ「続行」。そして、大吉のこの1答。

    • 「夢は叶う!!」

これでポイントが移動し、優勝が決定しました。いや、この回答、ラスト回答としては完璧で、誰もが納得のいく答えだったんじゃないでしょうか。
優勝者インタビューは本当に感動的だった。「こういうことがやりたくて20年頑張ってきたし東京に出てきた。優勝してバッファローさんや皆さんの仲間にやっと入れた気がします。」これに対して木村館長は最初はふざけながらも心を打たれていたようで、途中で言葉に詰まってしまう場面も。また、このとき木村館長がマッスル坂井に向かって「深くは言いませんが…また必ず出ていただきたいと思います」と言っていたのも感動的。暗転後、この言葉にマッスルは泣いてしまったそうです。
大吉本人もTwitter上で、故・三沢光晴に向けてメッセージを送っていますディファ有明って、NOAHの聖地って言われていて、三沢の献花式もこの会場で行われていたんですね。三沢と大吉の泣ける話は、昨年番組でも語られていたそうです。


さて、今回はS席ではなく、A席でチケットをゲットした為に「あー、後方かもしれんけどモニターあるから、まーいっかー」なんて思っていたんですが、その座席というのが

まさかの解説席真裏。特等席じゃないか!!というわけで、この席だからこそ気がついた点をいくつか。
まずバッファロー吾郎のお二人の解説中の姿勢についてなのですが、とにかく気になったのが竹若さんの足の落ち着きの無さ。貧乏揺すりというかまるでヘヴィメタのドラマーがツーバス踏んでいるかのようでした。あと、くーちゃんとコバの仲良しっぷり、オフマイクでコソコソ喋っては笑い合っている姿が大変微笑ましかったです。仲良しといえばサンドウィッチマン。富澤が対戦している時の解説に伊達がいたのですが、富澤がおそらく答えがまったく浮かんでいなかったのでしょうか、しばらく固まってしまう場面があったのですが、それを見て一人で吹き出してしまう伊達。相方のことは理解されてますね。あと意外に家城とサンドウィッチマンが仲がいいこともわかりました。
そして一番感心したのが、つんく。まず靴が新品かってくらいにピカピカ!よく「デキる人は靴がキレイ」って聞きますが、まさにそれを実行しているかのよう。そして「なんか、やけにバッファローの二人に寄り添うように座ってるな…」と思っていたのですが、これって要は解説席の画を撮影しているカメラへの配慮なんですよね、ちゃんと画角に入るように近づいたというか。こんなことしてる人、つんくだけでした。この気の配りよう!そりゃビジネス本出すほどだわ…と関心したのでした。ツイッター上では大会のリハのときに「スピーカーのハイがきつい」なんてつぶやきも。それ、オレも思ってた!D関の音響って、耳が痛いんです。
あ、間近でコバの「モンチェン」が聞けたのは相当嬉しかったです!あ、そして次回、秋には大阪のNHKホール、冬は東京・中野にあるあの大会場だそうですよ!