「Loser's Parade」

for さえない日々

SAKEROCK@ビルボードライブ東京

「今回の新曲、今までの曲よりかっこいい!」と、これまで新曲を聞くたびに何度思ったことでしょうか。そして今後SAKEROCKに何度思わされるのでしょうか。


今回の会場であるビルボードは、とても高級感あふれる雰囲気で、受付からして

こんな感じ。
そもそもこのライブハウスが六本木にある東京ミッドタウンの四階にあるっていうのもなかなかの敷居の高さ。そしてなかなかなお値段のチケット代。更に1日2回公演っていうのがなんか不思議な感じ。本当にディナーショーみたいだ。ちなみに筆者は2回目の21時スタートの回に行きました。会場では本日限定の「サケロック(日本酒ベース)」「会社員(青い)」「やおや(野菜っぽい)」というスペシャルドリンクが作成されていました。呑んでないけど(その代わりに来る前にジョッキ3杯呑んできた)。
格式高いライブハウスだからって、SAKEROCKのメンバーは普段着どおり、そして普段どおりのライブ内容。白スーツで来るのかと思ってたのでちょっと裏切られたなー…と思ったけど、気負わないようにしていたのかもしれない。そして見事にいつもどおりのリラックスしたライブでした。しかし、その中で披露された初披露曲に、初披露のスタイルに衝撃を受けたのです。


『慰安旅行』から始まり、『菌』、『モー』と勢いのある曲で幕開け、MCを挟んで『老夫婦』、ギターをアコギに変えて久々に演奏される『モズレア』、『Green Land』、そして『今の私』、『インストバンド』としんみりゾーン。
そしてここからがビックリした。なんと星野リーダーがギターをフェンダーのテレキャスターに持ち替えたのだ。開演前にローディの人がこのギターを弾いていたのが気にはなっていたけど、まさかそのギターを持つとは!そして自分の席はステージをちょうど真正面から見下ろすようなところにあってステージ上の4人の姿がバッチリ覗けたのだが、リーダーの足元にあるエフェクターの量が明らかに増えている。今までは使用しててもダイナコンプくらいだったと思う。それが今回は10個近くのエフェクターがずらり。そうして始まったのは12月に発売されるニューアルバム「MUDA」からの新曲を初披露!
新曲であり、アルバム表題曲であり、更にPVも撮ったリード曲でもある『MUDA』という曲は、歪んだギターバッキングから始まる勢いのある曲。トロンボーンのメロに続いて星野・田中・伊藤3人が「あ〜あ〜あああ〜」とコーラスして追いかけるのが特徴的。ドラムは今までになくかなり実直なエイトビートっぽい感じで、その曲調はアメリカのインディーズロックのようで、だけどそこにハマケンの人懐っこいトロンボーンが加わると、これがやっぱりSAKEROCK。「こう来たか!」と思わざるをえない。
そして続くこれまた新曲の『GREEN MOCKS』は、最初はミドルテンポの静かな曲、と思いきや、突然歪んだギターの激しいリフが始まり一気に変化!それはまるであぶらだこ四人囃子かってくらい。そして嵐のように過ぎ去って元の曲調に戻って突然終わる。メロディは素朴なのにすんごい変な構成。だけど、こういうの大好き!てか、最高だ!新曲を聞いて素直に「かっこいい!」と思えるこの幸せったら。
今回初めて聞いた上記2曲、これが新しいアルバムの方向性なのだとすると、まさに新境地なのかもしれない。まず一番の違いはやっぱり星野リーダーのテレキャスのジャキジャキした音。そもそもリーダーがフェンダーのギター使うってのが違和感すら感じる。フェンダーのストラップすらなんだか面白い。MCによると今回のアルバムのレコーディングのために購入したそうで、その違和感はメンバーからも指摘されていたよう。この音が全編に使用されているのかどうかはまだわからないけど、新境地の片鱗を体感することが出来ました。
初披露曲を終えてからもテレキャスで『ホニャララ』、そしてこれも次のアルバムに入る『KAGAYAKI』を演奏して本編は終了。ちなみに『KAGAYAKI』演奏中にステージバックのカーテンが開き、東京の夜景が現れるなんて演出もありました。アンコールはおなじみ『生活』でライブ終了。

01.慰安旅行
02.菌
03.モー
04.老夫婦
05.モズレア
06.Green Land
07.今の私
08.インストバンド
09.MUDA(初披露)
10.GREEN MOCKS(初披露)
11.ホニャララ
12.KAGAYAKI
en.生活

指定席だったためか、1時間半という短さだったためか、はたまたステージ全体が覗ける場所だったからか、とても観やすかった。そのため、注意深く4人の演奏姿を堪能することできた。あー、大地くんはこんなに手先まで使ってドラムを叩いてるのかー、とか、星野リーダーはエフェクターが多くなったから混乱してたなー、とか、田中名人は黙々とベースを弾いていると思いきやベースのフレーズで遊びまくってるなー、とか、ハマケンはとにかく集中してるなー、とか。そんな様子が手に取るようにわかってなんだかとても興味深かったです。ビルボードという特別な場所を体験できたこと。そして初披露曲で新作アルバムの片鱗を感じられたこと。総合して、とても楽しいライブでした。


おまけですが、印象に残ったMCを箇条書きで。

  • 今日のために服を買おうと一緒に代官山まで買物に来た星野リーダーと伊藤名人。そこで購入したカーディガンをリーダーは着ていたが、伊藤名人は「ステージは暑くなるから来てこなかった。」「じゃあ、オレだけなんか気合入ってるみたいじゃん!」ちなみにリーダーが着てたカーディガンはこれツモリチサト
  • SAKEROCK貯金が存在し、それがメンバーに分配されてリーダーはテレキャス購入。田中名人はクリスタルのベースを、伊藤名人はシンバルをそれぞれ購入。「ハマケンは?」「iPhone買った。」
  • 田中名人から「これ(透明ボディのベース)のギターがあるから、それにしなよ!」と言われてたけど聞こえていないふりをしていた星野リーダー。
  • ハマケンは最近、無印良品でダブルベッド(総額10数万円)を購入。それに対して伊藤名人「ちっちゃい人がおっきいベッド買いに来て笑われなかった?」「うるさいよ!」
  • 佐賀でドラマを撮影したときに一般オーディションで出演している人の中にSAKEROCKファンがいたらしく「それって、ハマケンからしたら西荻にJBが来るって感じ?そんなわけはないか!」とか話していたら「でもね!オレ、西荻のJBだから!」とよくわからない主張をされた星野源
  • モテキ」撮影中に森山未來の姿に憧れてタバコを吸い始めたハマケン。映画「ノン子」撮影のためにタバコを吸い始めてしばらくそのまま吸っていたけど数カ月で辞めた星野。喘息が出ちゃったんで数年前にタバコを辞めた伊藤名人。特に変化のない田中名人。


ちなみに、amazonで『MUDA』を検索してみると、すでに収録曲が掲載されていました。『URAWA-CITY』、『HIROSHIMA NO YANKEE』など全曲アルファベット表記!あと『WONDER MOON』って、バナナマンライブのあのハマケン作曲のヤツかな?本当にアルバムが楽しみ!そして11/2のtoeeastern youthの対バンライブも楽しみ!