「Loser's Parade」

for さえない日々

その族の名は「家族」@青山円形劇場

http://hi-bye.net/kazoku/
友人が激プッシュしていた「ハイバイ」。そして大好きなユースケ・サンタマリア。この組み合わせは今がチャンス、と足を運びました。今回は元々ハイバイで公演された「て」の再演であるらしい。そして…みんながハイバイを絶賛しているのがわかりました。面白かった!最初に見たときは二男(荒川良々)の目線で進行。その後、別視点で物語が進行し、先程まで語られた物語の真相が徐々に明らかになっていく。その構造に「あー、結局みんなそれぞれの立場や意見があるんだなー」と。始めは嫌なヤツだと思っていた人が実は筋が通っていて、最初に正しいと思っていた人が実はその世界の中では浮いていたり。
ハイバイの芝居は事前に貸してもらったDVD(しかもオムニバス形式のやつ)でしか見たことがなかったけど、あのなんとも言えない居心地の悪さ、もやもや、いらだち。そこから起こる笑い。それをハイバイの役者じゃない人が演じてもその醍醐味が伝わってきた。ユースケの存在感はさすがで、適当さやハチャメチャっぷりがキャラクターと合致!と思っていたら、後半にその行動の種明かしが。
ハイバイの芝居は基本的に主催の岩井秀人がひきこもりだった10代後半の経験を活かしているそうなのだけど、この芝居もきっとそうなのだろう。解説でも書いているけど、みんなが「どうしようもない」。見ていてもどかしい。特にお父さんがどうしようもない。岩井少年はお父さんと心底反りが合わなかったんだろうなー。それにしてもあの次女の役の人が可愛かったなー。あと研ナオコがおばあさん役だったのは、昔のコント番組が関係あるんだろうか。あと、開演前にユースケが一人で現れて前説的なことをしだして、それがまず面白かったのだけど、聞いたところによるとハイバイの芝居はだいたいこうしてぬるっと始まるらしい。そんなところもユースケの掴みどころのない雰囲気に合っていたように思う。