「Loser's Parade」

for さえない日々

ポップカルチャーの指標が消えてしまった

川勝正幸さん 火事で死亡 NHKニュース
朝日新聞デジタル:編集者兼ライターの川勝正幸さん死亡 自宅から出火 - 社会
フリー編集者の川勝正幸さんが火災で死亡 サブカルチャーの著作多数  - MSN産経ニュース
久しぶりに心の底から衝撃を受けたニュースだった。ちょっとこの結末はやりきれない。
川勝さんのお名前を知ったのは恥ずかしながら遅く、2006年頃に「ポップ・カルチャー年鑑2006」を本屋で偶然手に取ったのがきっかけ。「こんなマニアックなものが評価されてる!そしてなんだか知らない世界がいっぱい載ってる!」と衝撃を受けているうちに、いつの間にかSAKEROCKのアルバム「songs of instrumental」の解説を書かれることになって。そうこうしているうちに星野リーダーは川勝さんと仲良くなって「第2の父」と慕うようになって。そうこうしているうちにテレビブロスで始まった細野晴臣×星野源「地平線の相談」では文化デリックとして構成を担当されて。

ポップカルチャー年鑑にいろいろ教えてもらった私は上京後、念願の高円寺円盤にて開催されていた「POP寄席」に足を運び、川勝さんと下井草さん、そしてゲストの宇多丸さんのトークを楽しみました。それからも様々な場面でお目にかかっていた川勝さん。ナンシー関の大ハンコ展で汗だくな姿をお見かけしたり、とあるライブでニコニコしている姿をお見かけしたり。最後に動いている川勝さんを見たのはいつだろう。DOMMUNEでドラマ版「モテキ」第1話を再放送しているときだったか、たまたま点けたテレ東の「シネ通」だったか。

川勝さんの、自分が好きなモノを楽しそうに書いていらっしゃる文章が大好きでした。以前、とある方から「川勝さんや下井草さん、松永良平さんのような文章を目指してください」とアドバイスをいただいたことがあり、とても憧れの文章でした。川勝さんのことを知るのはあまりに遅かったため、私の中では晩年のイメージの好々爺的存在だったのですが、それでも、いろいろなことを知ることが出来ました。

単なるミーハーから、半歩…いや、1/4歩くらい進むことができたのは、この方の言うものに触れてきたからです。心よりご冥福をお祈りいたします。