「Loser's Parade」

for さえない日々

僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ/モーモールルギャバン

「迸る」は「ほとばしる」と読みます。

前作の「BeVeci Calopueno」と比べると、シリアスな雰囲気になっていました。ハチャメチャからガムシャラになったというか。
幕開けの『スシェンコ・トロブリスキー』ではいきなりピークを迎えるかのようなメロディと展開と勢い。「Good Bye もう もう 時間です また会う日まで」と1曲目から歌い放つ。そしてリード曲の『サノバ・ビッチェ』はユコとゲイリーが入れ替わるボーカルが気持よく、特にゲイリーパートの歌詞が、今回のアルバムで感じられた「ハチャメチャからガムシャラへ」という変化が伝わってくる。「ハンサムな俺の辞書は不可能の文字だらけ」っていうのはずっと頭をよぎっていた。前作に収録されている『ATTENTION!』の歌詞が挿入されているのも仕掛けとしてにくい。
少し落ち着いた『MY SHELLY』は「ウィスキーを飲もう」ってところはウイスキーのCMソングとして使って欲しいくらいにポップで切ないし、『僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ』では幾分、ぐっとシリアスに寄り添う。かと思えば『いつか君に殺されても』はユニコーンに通じるような疾走感を、『午前二時』ではユコのボーカルで大人っぽいテイストで、『J・O・E』では寂しさ漂う孤独感を感じる。
そして『それは悲しい唄のように』で壮大にユコが歌い切ると、『彼と彼女の日常』で急にいままでのシリアス雰囲気をぶっ壊すように勢いが溢れ出し、ラストの『気まぐれのように揺れる世界から』へ。この曲のガムシャラ感とシリアス感と壮大さは随一。歌詞、メロディ、展開、アレンジが一体となった曲で、「このCD、不良品?」って思うくらいにゲイリーのボーカルとドラムにエフェクトがかけられ切々と歌っている、と思ったら突然音が止まり、音がクリアに。靄がかかった状態から光が指し一気に視界がクリアになるこの展開は、歌詞の世界観と共にこの8分間の大作を名曲に仕立てあげている。
ハチャメチャ脳天気なモーモールルギャバンは、メンバーが全員30代を迎えたことで若さを叫びながらガムシャラに突き進んでいくバンドになっていました。

B006YJP1RS僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ
モーモールルギャバン
ビクターエンタテインメント 2012-03-21

asin:B006YJP1RS
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6月のZEPP TOKYO行きますよ!