「Loser's Parade」

for さえない日々

宮沢賢治が伝えること@世田谷パブリックシアター

朗読劇を見に行きました。宮沢賢治の作品を、毎回メンバーが入れ替わって朗読するというもの。出演者は合計38名で、様々な組み合わせがあったのですが、自分は行ったのは「宮沢りえ松尾スズキ段田安則」の回と、「蒼井優笑福亭鶴瓶段田安則」の回。内容は両日共に同じだったのですが、だからこそ演者によっての違いがよくわかりました。
注文の多い料理店」、「よだかの星」、「永訣の朝」、「雨ニモマケズ」などの作品が朗読されるのですが、読書に馴染みのない自分にとってはそのほとんどが、初めて聞く内容ばかり。「注文の多い料理店」はタイトルしか知らなかったのですが、こんな内容だったんだ!と今更面白さに気がつくという読書不足っぷり。こういった童話の朗読は、特に演者の個性が現れて見ていて面白かった。
各演者の印象はと言うと、宮沢りえはまるで子供に語りかけるかのように優しい朗読。松尾スズキは笑いどころがちゃんとわかっていて、緩急の使い分けがよかった。蒼井優は、さすが。声色もイントネーションも瞬時に切り分ける。笑福亭鶴瓶はたまに関西弁のイントネーションになるところはあるのがご愛嬌。でもさすが落語家、見事に登場人物になりきるし、朗読も聴きやすいペース。2回ともに出演していた段田安則は、声がいいのはもちろんのこと、相手によって受けの型を変えているのが、見比べてわかった。
2回見に行くことで、より一層楽しめる朗読劇でした。他の回がどんなんだったのとか、気になる。