My Bloody Valentine 『JAPAN TOUR 2013』@新木場Studio Coast(2013/2/7)
マイブラが日本でワンマンライブを行うと聞き、チケットを入手したのは去年の6月。
そこから8ヶ月間、ちゃんとなくさずにチケット持ってましたよ。というわけで行ってきました。平日の19時。しかも仕事は現在繁忙期。本当に行けるのか?と内心ヒヤヒヤしてたんですが、なんとか会場に辿りつけました。
正直なところ、マイブラはリアルタイムではないし、好きだけど熱心なファンというわけではない。知ったきっかけは、くるりが大好きだった学生時代、岸田氏が「いまマイブラばっか聞いてる」だかなんだか言っていたことだったと思う。好きなアーティストが好きだと言っているものはすべて摂取しようとしていた貪欲なあの頃。でも、実質活動休止状態だったマイブラをなぜあのときに「ハマっている」と言っていたのか、それはわからない。単なる気分だったのかもしれない。どこでその言葉を見たのかを覚えていない。そもそも本当に岸田繁がきっかけだったのかもちょっと怪しい。まあ、きっかけの話は別にいいとして。とにかく、そんなにガッツリファンである、というわけではなかった。
ではなぜこんなにライブに行くことについて掻き立てられたのかというと、それは2008年のフジロック。これまでで唯一参加したフジロックがこの年だったのだけど、このとき、まさかの出演だったマイブラを、私は見ていない。確か、金曜(初日)のトリだったと思うのだけど、土日参加だったので見ていないのだ。それに引き換え、当時直属の上司だったH課長は、前夜祭含めバッチリフジロックを満喫していたのだ。そのH課長に後日、こう言われたのだ。
「フジロック行ってマイブラ見なかったとか、それはフジロック08を見たとは言わない。」
いやいや待て待て!違う違う!あなたがフジロック休暇を取ったから、気を使ってちゃんと金曜日は出社したんだよ!しかも当時、課員はその上司とオレの2人だけで、あとは派遣社員さんしかいなかったから、さすがに正社員が課内にいないってのはまずいよなーと思って涙を飲んで行かなかったんだよ!それを!なにその言い草!ちくしょう!今度マイブラが日本に来たら絶対に見てやる!!
…というのが、今回ライブに行くきっかけとなった出来事です。動機イズ不純。4年以上前の出来事をずっと根に持っていたのでした。
しかし、実際に勢いだけでチケットを取ったものの、直前に発表された22年ぶりの新作「mbv」は購入しておらず、「もし新曲中心のセットリストだったらどうしよう…」と少し不安になっていましたが、いざ本番を迎えてみると、ほとんどが過去曲で、新曲は1つだけ。
人で溢れかえってステージもほとんど見えない、ケヴィン・シールズがかろうじて見える程度の状態で、どんなパフォーマンスをしているのかもほとんどわからない状態でしたが、何年も前から音源で聴いていたものが生で感じることができるだけで感動的。ああ、やっぱり歌はちゃんと聴こえない。これって音源だけじゃなくてライブでもこんなバランスなんだ。というか、むしろ音源よりも聞こえにくいくらいだ、とか思ってました。同時に、なんか思ったよりも普通のライブだな…なんて思っていたのですが、クライマックスの『You Made Me Realise』でその考えは覆されました。
『You Made Me Realise』の途中で始まる噂の「ホワイトノイズ」。音の洪水とは言い得て妙。体験したことはないが、洪水に巻き込まれているような、墜落する飛行機に乗っているかのような、トンネルの中で新幹線が目の前を通り抜けていくかのよう。震度3くらいの地震では気がつかないくらいの音の振動。それが、15分間ほどつづき、何事もなかったかのように曲に戻る。
これを体験できたのは大きかった。あんな体験、あとは非常事態にでも会わない限りできないんじゃなかろうか。会場から出てもあの衝撃はしばらく続いた。これは…確かに「フジロック08を見たとは言わない」のかもしれない。でも、これでオレもようやくフジロック08を補完することができた、気がする。
貴重な体験でした。
8ヶ月間の役目を終えたチケットと配布された耳栓とともに。
- I Only Said
- When You Sleep
- New You
- You Never Should
- Honey Power
- Cigarette in Your Bed
- Come In Alone
- Only Shallow
- Thorn
- Nothing Much To Lose
- To Here Knows When
- Slow
- Soon
- Feed Me With Your Kiss
- You Made Me Realise