「Loser's Parade」

for さえない日々

33歳、ZINEを作る。

ご無沙汰しています。


先月、「The Tokyo Art Book Fair 2013」という日本最大級のZINE即売会に行ってきました。

出展者側として。


経緯は単純に、友人に誘われたから。以前より「本とかZINEとか作ってみたいな〜」なんてことを話していたことを覚えてくれていたため、その友人が出展するということになり、相乗りさせてもらいました。でも、なんだか調べたらこのイベント、とってもオシャレでアート性が高い模様。これは弱った。文章を書くことしかできない自分にとって、写真集やら詩集やらイラスト集やらばかりのアートな匂いがプンプンする中で果たしてどのようなものを作るべきなのか。いろいろと悩んで友人たちに相談した結果、「巻物」が面白いんじゃないか、ということになりました。これも立派な、古くから存在する「ZINE」なんじゃないかと。

そして内容はどうするか。自分の武器は、やはり「SAKEROCK」に関する愛情。それを巻物と掛け合わせるには…と考えた結果、SAKEROCKの歴史を後世に伝えるべく、結成から13年の今までをまとめた年表がいいのではないかと思い至ったのでした。そうしてなんとなく決まったZINE制作ですが、これが結構苦労して、なんだかんだで1ヶ月くらいの製作期間となってしまいました。そもそも、この春に異動になったために仕事が急激に忙しくなってしまったこともあり平日はほとんど作業はできず。休日に集中して古本屋で文献を探して、文章まとめて、巻物の材料探してきて、という感じであっという間に1ヶ月が過ぎていきました。


そんなわけで制作過程をちらっと。
こういったサイトを参考にして、いろいろ材料をかき集めてきました。

芯となる木の棒をホームセンターで買ってカットしてサンドペーパーで削ったり、竹ひごを買って巻きやすいようにくるんでみたり、毛糸を紐代わりにしてみたり…

和紙っぽい包装紙を100均で買って切って繋ぎあわせて長くしたり、

Wordで文章レイアウトして、インクジェット用和紙に印刷して糊で貼って…

試行錯誤してこんな感じで出来上がり。この頃は普通のスティック糊で貼り合わせてたけど、手間がかかるのと綺麗に貼れなかったので、後からスプレー糊に切り替えました。伸縮性がないので巻いた時によれる、というのがあったものの、大幅に制作時間短縮。



現地ではこんな感じでディスプレイして臨みました。

こういうとこでよく置いてあるよなーって思って名刺なんか作ってみたり。あ、巻物なんで、やっぱり筆者名は漢字のほうがかっこよかろうと、「岡野切迫」というペンネームを付けてみました。肩書きは平野レミの“料理愛好家”を模して「SAKEROCK愛好家」に。

こんな感じで3日間SAKEROCK Tシャツを着てました(1日目のTシャツを撮影するの忘れてたけど)。誰にも指摘されませんでしたが。


というわけで結果、見事に全15部(本?)、完売いたしました。ちらっとTwitterで告知しただけなのに結構足を運んでくれる方が多く、非常に驚きました。来てもらったのに売り切れてしまったりして本当に申し訳ないことをしました。すいません。


初めてのZINE作り、そして即売会。とっても貴重な体験をいたしました。そもそもブログを読んでくれている方にあんなに直接会ったのは初めて。人見知りの自分にはとても刺激的でした。オシャレイベントに巻物で乗り込んでみたのですが、結局自分のことを知っている方にしか売れなかったので、「オシャレイベントへのカウンター」なんていう密かな野望は果たされませんでしたが、それでも巻物という形は、SAKEROCKを知らない人にもなんだか面白がっていただけました。今回は所謂自分の得意分野で、そしてその得意分野を理解してくれる人向けにしか発信できませんでしたが、次はもう少し大衆的な文章で挑んでみたいものです。というわけで、最後に、今回の記録を。

「わたしの好きなこれまでとこれから」〜インストバンドSAKEROCK”年表巻物〜

  • 岡野 切迫(著)
  • 価格:¥500
  • 発売日:2013年9月21日

内容紹介:星野源、浜野謙太、伊藤大地が所属する「サケロック」というインストバンド。その歴史を日頃から調査しており、今回はその結果を後世に伝えるべく、古代より伝わるZINE、「巻物」に記しました。
目次:1.まえがき、2.これまで「一万三千字のサケロックのこれまで年表」、3.これから「「三人のインストバンド」の唄」、4.あとがき

ちなみにこの巻物、難点なのが、とっても増刷しにくいことでしょうか。イベント用に作ったものなので別にいいけど、完全に赤字!