「Loser's Parade」

for さえない日々

SAKEROCK『Emerald Music』PV公開

SAKEROCKが『Emerald Music』という宝石のような音楽を届けてくれた。

SAKEROCKのベストアルバム「SAKEROCKの季節 BEST 2000-2013」が1月22日に発売される。それに先駆け、YOUTUBEにて『Emerald Music』PVとアルバムのトレーラー映像が公開されました。
SAKEROCKが新たにPVを撮ったという事実だけで感激するくらいに待ち焦がれていました。いや、本当に、まさかPVまで用意していたとは。公開されてからもう何十回と繰り返し見てます。


PVが作成された新曲『Emerald Music』がライブで披露されたのは、2011年の日比谷野音、そして2012年6月に3人+サポートメンバー6人で初めてライブを行った赤坂ブリッツと、秋に行われたカクバリズム10周年記念東名阪ライブの、合計5回だと思う。この新曲は音源未収録ながら、日比谷野音のライブが収録されたDVD「ぐうぜんのきろくファイナル」と、この楽曲の元ネタであるバナナマンライブ「emerald music」で聞くことができました。

私個人としてはライブで3回この曲が披露されているのを見たし、野音DVDもバナナマンライブDVDも持っているので、可能な限りこの曲には触れてきたつもりではある。だけど、改めて収録されたこの曲は、更に磨きがかかりパワーアップされていたのです。トロンボーンのメロディも変わっているし、終盤の徐々に楽器も増えて音数も音符も多くなっていくリフレインの高揚感に磨きがかかっている。曲の詳細はアルバムを手にしてからちゃんと聴こうと思う。
そして何より、このPV。なんというか…今までの彼らの季節を振り返っているのだけど、同時に見ているこっちの季節まで振り返ってしまう。「ハマケンが若い!そうそう、初めて見たときはこんなガキんちょだったよなー、オレと1歳しか変わらないくせに」「ハマケンの寅さんコスプレ、スペシャの映像で見たことある!この頃、ハマケンの衣装もいろいろあったよなー」「『ぐうぜんのきろく』が出たときってオレが25歳で仕事で悩みまくってたから4人が楽しそうに過ごしてるのが羨ましすぎて嫉妬すら覚えたんだよなー」「ああ、初めてフジでホワイトステージ出演したときの白スーツだ!このときはオレ、京都から広島に住む場所が変わってたんだよな」「キネマ倶楽部での年末ライブが始まったのってちょうどオレが上京した年からなんだよなー」「MUDAツアーファイナルは東日本大震災で延期になって、みんな不安だったな〜」「日比谷野音、奇跡的に最前列だったからDVDに映りまくってるんだよなー」「うわ、ハマケン結婚式も映ってる!あのときの参加者のツイート、必死にまとめた!」「そしてカクバリズム10周年での3人のインストバンド!泣いたな〜」などなど…。

そして演奏している3人の姿。星野源、浜野謙太、伊藤大地という、いまや各方面で引っ張りだことなっている3人が集うだけで、なんだかグッと来るものがある。あれ、リーダー、新しいギター投入してる?とか、マリンバ叩く姿が気持ちいいとか、いまや貴重になりつつあるハマケンのトロンボーンとか、伊藤名人のフロアタム連打はスカッとするなー、とかいろいろ見所あるけど、最後まで顔を出さない(少なくとも今回公開された映像では)点が、想像力を掻き立てられる。いったいどんな顔をしているのか。星野リーダーが長期休暇していたからこそ、余計に。いや、激ヤセした浜野さんがSAKEROCKの中にいるのだって見てみたいし、星野ソロのバックバンドじゃなくてSAKEROCKのメンバーとして存在する伊藤名人の姿だって見たい。その欲求が想像力を掻き立てて、今の姿、そして未来の姿まで妄想してしまう。


「エメラルド」という宝石言葉(というのがあるそうな)は「幸運」「幸福」、そして「希望」らしい。この曲が、SAKEROCKの季節を経て、新たなSAKEROCKの「希望」となる曲に聞こえて仕方ないです。SAKEROCKベストは今週水曜日発売。もうすぐだけど、待ち遠しい。ついにSAKEROCKが、ゆっくりと動き出した。3人の「実家」が賑わう季節がやってくる。