「Loser's Parade」

for さえない日々

その季節思い出す、何かに取り付かれていたように〜「SAKEROCKの季節 BEST 2000−2013」

サケロックのアルバムが発売されることの喜び。それがたとえベストアルバムだとしても。

先週、SAKEROCKのベストアルバムが発売されました。いわゆる「フラゲ」を行うべく発売日前日の店着日に新宿のタワーレコードに閉店間際駆け込んだのは1月21日火曜日。収録されている32曲中、29曲はすでに音源を持っているにも関わらず、それから1週間、何度も何度も聴き続けています。こうしてまとめられるとまた違ったように聴こえてきて、タイトルのごとく「季節」を思い出します。
収録されているのは「YUTA」「慰安旅行」「LIFE CYCLE」「songs of instrumental」「ホニャララ」「MUDA」というオリジナルアルバム、「キャッチボール屋」「おじいさん先生」のサントラ、「日本の態度」「SWEET DREAM For fishmans」「細野晴臣トリビュート」「極東最前線2」「More SQ」といったコンピレーションアルバム、サケロックオールスターズでの楽曲などからピックアップ。更にトピックスとしては結成当初に作られたCD-Rから『慰安旅行』のデモバージョン、ドラマ版アキハバラ@DEEPのエンディングテーマだった『YAWARAKA-REGENT』、そしてバナナマンライブ「emerald music」のオープニングテーマであり、現時点で最新曲である『Emerald Music』が初音源化されたこと。
もちろんここに挙げた以外にもサントラを出していたりコラボも出しているSAKEROCK。例えば劇団ペンギンプルペイルパイルズのサントラ集「PENGUIN PULL PALE PILES SOUND TRACKS BEST」や「ゆらめき」、映画「黄色い涙」のサントラからは入っていないし、コラボといえば持田香織と出した『雨とワルツ』、コトリンゴとの『でたらめサンバ』、二階堂和美のバックを担当した『LOVERS ROCK』『いてもたってもいられないわ』だってあるし、近年ではニャンちゅうワールド放送局で流れている『めがねのうた』『せつないのうた』なんていうのもある。音源化されてないものも含めたら、数々の舞台音楽、渡辺謙が出ていたヤクルトのCMソング(鈴木慶一作曲)、NHKEテレ「ひょうたんからコトバ」のサントラなどなど…もう、枚挙に暇がない。インストバンドでサントラを多く手がけていたということもあってか、それほどに多作なバンドなのです。


ベストアルバムというと「初心者向け」だと思われがちですが、もちろんこのアルバムもソロ活動が活発な今の時期だからこそ、バンドを知らない人に届いて欲しいのだけれど、昔追いかけていたけど今は、という人に多く手にとって欲しいと思っています。必ず、その季節を思い出すから。


「季節」というタイトルは、初回盤DVDの副音声で本人が語っていたけれど、星野リーダーが病床で思いついたワードだとのこと。このタイトルについては副音声で一緒に収録に参加している山岸聖太さんも絶賛していますが、このワードは自身のソロ曲にも出てきます。それはずばり『季節』という曲で、シングル『知らない』のカップリング曲であり、昨年春に発売されたアルバム「Stranger」にも収録され、山下敦弘監督、前田敦子主演の「もらとりあむタマ子」の主題歌にもなっています。ちなみに「川口のソウルミュージック」をテーマに作られたそうで、その曲の歌詞に、こんなワードが出てきます。

誰かに微笑んだ その季節思い出す 何かに取り付かれていたように

その後、この歌詞は「誰かに微笑んだ」に始まり、「誰かと微笑んだ」「誰かが微笑んだ」と変化していくのですが、これがそのままSAKEROCKのことにも繋がってくるように思えてくるのです。そのときどきでSAKEROCKは(仲間内やお客さんなど)誰かに微笑んでいたし、(メンバー同士や仲間など)誰かと微笑んでいたし、(自分のような愛好者など)誰かが微笑んでいました。なんだかそんなことを漠然と聴きながら考える日々です。
「何かに取り付かれていたように」って思いだしてるけど、オレはまだ取り付かれているし、一生この奇病と付き合っていく覚悟はできている。というわけで、長くなるから初音源化の3曲については次回。

SAKEROCKの季節 BEST2000‐2013(初回限定盤)(DVD付)
SAKEROCK

B00GWAY1FC
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