「Loser's Parade」

for さえない日々

僕らの心は、時々壊れそう

GOING STEADYはあまり好きじゃなかった。知ったのが既に自分が大学生のときで、最早あの青さについていけなかった。高校生のときに知っていたらはまっていたとは思うのだが、大学時代は青春パンクというジャンルを全て否定し、もっと泥くさい音楽を好んで聴いていた。しかし、峯田和伸という人物は気になる存在ではあった。全身全霊でライブに臨む姿をテレビか何かで見たことがあり、「この人間は本物なんだろうなぁ」なんて思っていた。

GOING STEADYも解散し、あるきっかけで峯田のブログを読み始めた。「本物だろう」というのが「本物だ」と確信した。こんなに日常を音楽している人間はいないんじゃないかと思った。

去年、「アイデン&ティティ」を見に行った。主人公と峯田がシンクロして見えた。あれはオレの中で大傑作だ。

そしてようやく銀杏BOYZの音源(「君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命」「DOOR」)を手に入れた。…衝撃を受けた。買ってから既に1ヶ月経つのだが、ずっと聞き続けている。ヘビーローテーション状態。精神的DTである自分にとって、こんなに心を打たれる音楽は久しぶりだった。内容は賛否両論あるようだが、2枚とも1曲目でハートわしづかみ。「ゴイステの方が良かった」と言っているような奴は、結局モテ人間だと思うのだが、言いすぎだろうか?確かに歌詞はエログロで、ひいてしまう所もあるかもしれない。だが、それがキャッチーなメロディーに乗ることにより、ポップになっている。峯田和伸、この人はすごいな。本当に純粋に音楽をやりたいのだな。くるりの岸田氏も絶賛していて、ちゃんとキャッチできる人もいるんだなぁ、と思った。くるり岸田の信頼感が増してしまった。

音楽的に言うと、はっきりいってオマージュというよりパクリだ。WEEZERから80年代歌謡曲、さまざまだが、それがなんとも卑怯だとは思うが、嫌でも耳に残ってしまう。アウトローPIXIESTHE JAMを引用しているあたり、あー卑怯だ、この遊び心。全部峯田のリスペクト(っていう言葉、好きじゃないのだが)からきているのだろうな。歌詞の主人公も、自転車に乗っていないといけない。バイクや車なんかなっていないのです。自転車の変則を一番重くして商店街を駆け抜けないといけない。グッチやエルメスなんかを買ってあげるといっているくせにだ。

これ以上の峯田の表現方法は、死ぬことしかないのじゃないだろうか、とさえ思える。これで突然自殺なんかしたら、日本の音楽史上で伝説になってしまう。でもそれでストーリーは完結してしまうから、死ぬのはまだ早い。もっとDTの代弁者になってほしい。峯田も自身のブログで「何が何でも、生きるしかない」と公言しているし。峯田和伸、もっと彼のことを知りたくなった。とりあえず「グミ・チョコレート・パイン グミ編 (角川文庫)」を今、無性に読みたい。24歳なのに。