「Loser's Parade」

for さえない日々

憧れの地

下北沢は田舎物のオレにとって、憧れだった。大学に入り、音楽にどっぷりとつかるようになり、京都という街のすばらしさを知ると同時に下北沢という「都会」の文化にも強くあこがれるようになった。バンドで是非とも下北沢でライブをしたい!と思っていたが、残念ながらその希望は叶わなかった。でも、ハイラインレコーズに音源は置いてもらった。(売れたのはオレの東京の友人が買ったただ1枚だけだけど。)

そして今年の5月、連休を利用してようやく憧れの地へ降り立った。そこは良くも悪くも無法地帯。人は多いわごちゃごちゃだわ。京都でもこんなにごちゃごちゃした感じのところはない、と思う。でもそれが不思議と嫌な感じではない。むしろ、人の行き交いが下北沢のエネルギーのような気がした。この混雑あってこその下北沢なのじゃないのか、なんて思ってしまった。あんなに音楽や演劇などの文化が融合している街って、ほかにあるのだろうか。京都はあそこまで濃縮ではない。どちらかというと分散されている。

そんな下北沢に大きな道路を通す計画がある。都市計画によって、今の混雑した街並を整理しようとするものだ。つまり、街並が壊されるということ。防災上の理由、交通アクセスの向上といくつかの理由はあるようだが、それに下北を愛する人たちが反対を示しだした。
それが「Save the 下北沢」。このことを知ったのは、下北沢に行くと決まってたまたま購入した「SWITCH」。下北の魅力と今後について書いてあり、東京へ向かう新幹線の中、ずっと読んでいた。

今日、たまたまネットを見ていて、「Save the 下北沢」賛同の署名があったので記入した。オレにとっては一生のうち、あと何回行くのか分からないが、とても好きな街だった。何回行けるのか分からないが、何回でも行きたい街で、あこがれる街。どうか灯りが消えないように。

SWITCH Vol.23 No.5 (スイッチ2005年5月号) 特集:下北沢は終わらない 第2特集:UA 正木高志 [SOUNDS FROM THE WOODS]