「Loser's Parade」

for さえない日々

祖父江慎という人

ダ・ヴィンチ」を立ち読みした。今回は「嫌われブックデザイナーの一生」という特集で、祖父江慎という人が取り上げられていた。名前は聞いたことがある。たしか「ほぼ日」で見かけた。でも、どういった人かはよく分かっていなかった。この方はどうやらブックデザイナーで、今までにない本の装丁(表紙、カバーのデザイン)を手がけている。本屋で「この本の表紙、なんかおもしろそう!」と思ったら、ほとんどがこの方がデザインされているそうです。

その特集では、デザイナー、作家、出版社から印刷会社まで様々なクレーム(と言う名の褒めコメント)が掲載されていた。それがまた、面白い。特に印刷会社、製本会社のコメント。だてに自分、広告業界におりません。はなしている印刷工程の内容が全部わかる。ちゅうか、なんだか自分がもし担当だったら絶対パニックになるな。一つ例をとると、「ほぼ日」から出た「言いまつがい」という本。この本、本屋で見たときかなり衝撃だった。だって、表紙に無意味に穴は開いてるわ、製本が斜めにされてて本棚に納まらないわ、表紙は寸法が足りてないわ。もう本自体が間違いだらけ。こんな本、よく作ったな…。どうやったんだろう?と思ってたら、「ほぼ日」に製本課程のレポートがありました。

うわー…その斬新過ぎる発想、すんごく魅力的なんだけど、これ、現場の人に説明して理解してもらうの、めちゃくちゃ大変そう。でもこんな本、作ってみたい…けど、絶対理解されないだろうな。というか、絶対工場からクレームの嵐だろうな。そしてやっぱりパニックになるんだろうな…。 でも、これも全てただただデザインするだけでなく、本の内容も踏まえた上で、その趣旨にあったものを作り上げていくという「ものづくり」の基本。なんだか忘れてたものを思い出した感じ。オレもこういうの、やろうと思えばできる環境にいるんだよな。いやー、ちょっと頑張ってみようかしら、という気分になりましたとさ。

そんな祖父江さんの最近の仕事で「すげー」と思ったのはこれ。…この人、やっぱどっかおかしいと思う。