「Loser's Parade」

for さえない日々

あるバンドの、ある物語。

amazonより銀杏BOYZのDVD「僕たちは世界を変えることができない」が週末にやってきて以来、頭のなかでいろんなことが駆け巡ってなんだか混沌としている。これはドキュメントではない。一本の物語だった。

この物語は当時人気絶頂でツアーも控えていたあるバンドの解散シーンという衝撃的場面から始まり、「アイデン&ティティ」の撮影をはさみつつ、銀杏BOYZが始動し、方向性が決まるまでひたすらもがき、その結論となる作品が生み出されるまでが刻まれている。それにしても、これがこうでした、なんて言葉が見つからない。ただ、言えるのは、オレはこのバンドがやっぱり好きだ、ということだ。なんだろう。もう、よくわからない。言葉が出てこない。とりあえず特筆すべき点がたくさんありすぎる。冒頭の解散シーンは客席の呆然とした顔や峯田のおぼつかないギターや村井の泣きながらのドラムが切ないし、レコーディング中やライブ後に峯田がメンバーにキレてるのは音楽に真摯な証拠だし、プライベートシーンや罰ゲームはホントに馬鹿馬鹿しいし、RIJで「人間」が30分近く演奏されるシーンなんてもう、なんというか、圧巻としか言い様がない。おまけの特典映像では「SKOOL KILL」のメイキングとして元カノと3年ぶりに会うシーンなんか、とにかく撮影しすぎだとツッコまざるを得ない。


見終わった後、今度は「アイデン&ティティ」のDVDを引っ張り出し、見終わった後は銀杏のCDをかけた。なんかそういう気分になった。久しぶりに聞いた銀杏が、なんか知らんが、また違って聞こえたような気がした。それにしてもなんて日常が劇的なバンドなんだろうか。この人たちは生きているだけで勝手に物語になってしまっているような気もする。言いすぎか。


この作品、劇場で見られなかったのがすごく悔やまれる。ムチャしてでも行けばよかった。いや、到底行けなかったんですけど。この映像は、以前の峯田のブログ(「朝ニャン」復活してます!)、もしくは「恋と退屈」を読んでから見ると、その背景がよく理解できて、また一層楽しめます。


僕たちは世界を変えることができない [DVD]

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