「Loser's Parade」

for さえない日々

清水ミチコの20周年だからリップサービス

まずはこちらの映像をご覧下さい。

どうですか、このイタコっぷり。清水ミチコ矢野顕子はすでに国宝級だと思います。というか、本人が乗り移っているに違いない。歌、演奏、MCまでもが似ていてちょっと気持ち悪いくらい。他にも映像を探すと彼女の才能が浮き彫りになってきます。そんな清水のミッチャンが今年芸能生活20周年を迎えるということで、関東ローカルで特番が組まれていました。この番組が、実におもしろかった!そして最後は感動した!
番組では彼女の歴史を振り返りつつ、ライブ映像が挟み込まれていました。そこで垣間見たのが彼女のモノマネチョイスのセンス。歌姫メドレーとして登場したのは安藤裕子ねぇやん、元ちとせCharaYUKI…!特に裕子ねぇやんが激似!このチョイス、ちょっとしたロッキンオンのフェスです。各解説も笑いました。裕子ねぇやんは「1・不思議系、2・しっとり声、3・呼吸困難」、YUKIちゃんに至っては「世の中にこんなかわいい声があるだろうか。というイメージで。決してバカにしてるわけではありません」だそうです。
今回、清水ミチコの仕事場を初公開していたのですが、もはやモノマネ芸人の部屋ではありません。防音施設にピアノやギター。PA施設までありました。やっぱりこの方、シンガーソングライターだわ。単なるモノマネではなく実際に演奏してしまうのが他のモノマネの方と一線を画すところなのでしょうか。そう言えば、かつてのものまね四天王ビジーフォーも実際に演奏してましたね。その頃はモノマネしている対象(元ネタ)がわからなかったんですけど、幼心に「なんかすげぇなぁ」と思ってました。そう言えばハッチポッチステーショングッチ裕三の暴走ったらなかったですよね。前観たときKISSのパロディーやってたり「エド・サリバン・ショー」のパロディーをやってて度肝を抜かれたことがありました。そんなもん子どもにわかるかい!って感じで。
途中、ウンナン平野レミ高田文夫三谷幸喜綾戸智恵細野晴臣永六輔など錚々たるメンバーがコメントを寄せていました。こんなところで細野御大をお見かけするとは…と思っていたのですが、一番の見所は、彼女が敬愛する矢野顕子との共演でした。これはすごかった。矢野さんがミッチャンにピアノを教授するシーンでは2人の連弾を観られてお得だったし、最後に矢野さんの「ひとつだけ」を2人の矢野顕子が演奏したのは名シーンでした。

ミッチャンがド緊張しているのは手に取るように分かりましたし、この演奏の前、ピアノをチューニングしている矢野さんの姿を見てミッチャンが感激のあまり涙を流してしまうシーンは実に感動的でした。そうだよなぁ、自分が敬愛している人と共演するなんて、そうそうないもんなぁ。あと、ファーストレコード、切抜きコレクションを嬉々として本人に見せ、果ては矢野さんの実家のバーにまで訪れたエピソードを話す姿は、まさに矢野さんのファン代表ですね。あと、細野御大が「アッコちゃんとフジロックで『相合傘』を演奏する為に、勉強として聴いていたのは清水ミチコさんのアルバムでした。全然変わらないんですよ、アッコちゃんと。どっちでも大丈夫。」とおっしゃられていたのが印象的でした。御大をも「音楽センスを尊敬しています」と言わしめてしまうミッチャンを、これからも応援したいと思います。ホント、音楽を愛している姿勢、同時に批評のセンスが見え隠れするんだよなー。同時に「批評するのは簡単だけど、実際にやることは難しいんだ!」というエガちゃんの本での言葉を思い出すのでした。


そういや、矢野さんもカバーする曲はエルレガーデンくるりなど世代を飛び越えますよね。そういう点でもミッチャン、影響を受けているのかも。