「Loser's Parade」

for さえない日々

グミ・チョコレート・パイン

実はまだちゃんと原作を読んだことがありません。小説をちょっとだけ。漫画版もちょっとだけ。中学時代からずっと「いつか読もう」と言ーいー続けて27(byフラカン)。とにかく思ったことは、これは例の「モテない系」の話に若干繋げますが、自分の趣味が周りに理解してもらえないと思っていたところに現れた救世主ほど神々しく思えるものはありません。そのときはホントに、全力で、ありったけの知識をしゃべりますね。あの映画館での山口美甘子のように。自分は賢三ほど屈折しておらず(オナニーはしてたけど)、ちゃんと高校時代は普通の会話をする友人もいたし、マニアックな話をする相手も少ないながら存在していた。今から考えると、それほどマニアックなものに傾倒はしていませんでしたが。この映画の舞台になっていた街よりも田舎だったもので。情報量が圧倒的に少なかったし。せいぜい当時のクイックジャパンを読んで興奮していた程度でしたが。それが家を出た理由なのですが。
話が反れました。この映画は原作ではいわゆる「青春時代」のみが進行していたけど、そこにプラスで「なりたくなかった大人時代」も描かれている。このおかげで、情けなさが増していた。いろいろとケラさんのインタビューを読むと、「青春時代を美化するのではなく、情けないものとして扱った」そうな。だからなのか、なんだか全体的に悲壮感が包まれている印象を受けた。なんか、それが結局のところリアルだったのかもしれません。全体的な話としてはそんな印象を受けましたが、やはりケラさんも、三木聡監督同様、小ネタが盛りだくさん。気になったところをざっと挙げると、

  • 前々から期待していた「AV男優:峯田和伸」。このシーン、よくよく考えるとAV監督はマギーで、AV女優はコスプレイヤーの声。そしてマギーに電話しているのは20年後の賢三である大森南朋。これはまるで「アイデン&ティティ」じゃないか!峯田にセリフなかったけど。
  • 高橋ひとみ大森南朋の母親役って…!
  • 山崎一の演技がおもしろすぎた。ナイロンの芝居を見ているかのようだった。
  • みのすけが出ているのも、なんだか感慨深い。元筋肉少女帯ドラマーですから。
  • とりあえずピエール瀧は卑怯だ。昨年末のM-1もそうだったけど、1シーンですべてをかっさらうとは。
  • 柄本佑だけが20年後もそのまま演じていたのに笑った。
  • 音楽指導及び山之上のギターの手元吹き替えとして、サケの田中馨氏がサポートしているトクマルシューゴの名前が!あんな早弾きできるんだ!さらにハマケンがよくライブで絡んでいるイトケン氏まで出演していたなんて!
  • 女教師の20年後がなんか悲惨で悲惨で…。
  • とにかくオナニーシーンは必需。女性どもよ!男子学生の約90%はあれを経験しているものだ!笑っちゃうけど。


まぁいろいろ思った映画でした。あまり期待していってみると、虚を突かれる映画だったかも。