「Loser's Parade」

for さえない日々

げんざいのぐうぜんvol.4@東京キネマ倶楽部

久しぶりのワンマンに心踊らしていたわけです。仕事なんぞほとんど手つかずで、そわそわしてしまってました。そして、この日の会場である鴬谷に着いた時、ふと、「あ、この前ここに降り立ったとき(昨年末のサケロックワンマン2days)、まだ無職(a.k.a ニート)だったんだ」と思いだしたのです。人間、ちゃんと日々成長しているものだと感じたのでした。成長か?と問われたらそれまでですが。というわけでキネマ倶楽部のレポは気合が入ってしまい長ったらしく、若干の気持ち悪さ(傾倒具合)があるので、興味のある人だけ読んでください。

音源(Myspace)で聴いた印象とはっきり言って、全然違いました。ライブの方がオレは断然よかったです。音源で聴く感じ+ライナーノーツを読んだ限りでは「洗練された音楽」という、非常に抽象的な印象しかなかったのですが、ことライブになると、これがなんだか「不穏」。とつとつとリズムを正確に刻み続ける女性ドラマー、非常に技巧的なラインを奏でるベース、ミュート短音引きやワウ使用などで絶対にコード弾きをしないギター、不穏を冗長させるサックス(この方はサポート)、そして優艶なボーカルと同時に奏でるフルート。なんかちょっと怖いくらいでした。これはちょっといい拾い物をしたかもです。

  • 浜野謙太押し語り

後ろの方で見ていたからだとは思いますが、あの、もうそろそろ飽きられてきた?そんなことこんな世界中で見ることが出来るWorld Wide Webの世界で書いてはいけませんよね。書いたけど。いつものようにストロングスタイルで決めつつ操作をミスってキョドるという一連の流れが、すでにマンネリ化してきているのでしょうか。客の反応がいまいちのように見えてしまったのは、自分が後方にいたからだと信じたい。しかしそれを察知してしまったのか「もう押し語りを封印しようと思っている」という発言をしたのですが本当なのでしょうか。でもそのあとに「次、7月に野音でやりまーす」という、嘘か冗談なのかわからない発言のせいで客からも「え?どういうこと?」という反応しかできず、結局彼がちゃんとトロンボーンの練習に取り組んでくれるのか真相は闇の中になってしまいました。んで、どっち?

そんないつものようなグダグダを取り払うかのように演奏されたのは『慰安旅行』。相変わらずの伊藤名人の日本刀張りのドラム捌き。それは『七七日』でも同様で、中盤の間奏あたりでのドラムが素晴らしかった。ちなみにこの『七七日』は7月23日に発売されるeastern youth主催イベント「極東最前線」のコンピfOul復活!!!!!)に新録(4人バージョン)が収録されるとのこと。ずっと「今のバージョンで新録してほしい!」と密かに思っていたので、非常に嬉しいニュースです。このテンションが否が応でも上がる2連発を終えて、そのテンションを鎮めるかのようなダラダラMC。リーダーいわく「本日はこんな調子でダラダラ行く」とのことで、なんだか昨年末のワンマンでもそんな感じだったなぁ、と思い出す。YUTA時代の『七七日』のエピソードなどの喋りを聞きつつ、田中名人が弓を持ったのを確認したので「あれ、もしや久々に?」と思ったら、ここで『エイト・メロディーズ』。さきほどのMCで「今日はトロンボーンの調子がいい!」とリーダーに褒められたのが災い(?)したのか、若干崩れてしまったのが残念でした。この曲、本当にトロンボーンが命ですからね。そして終わるや否や、8月リリースのシングルに入る『今の私』。非常にやさしい感じ。この後もまったりMCが入り、昨年末のライブでも語った「検索上位に『浜野の部屋』を入れる計画」が出たのですが、上位にするには「SAKEROCKだとかキーワードをちりばめる」のと「いろんなところからリンクされること」あたりだって誰か浜野隊長に教えてやってください。SEOマスターな人とかが。サイバーエージェントあたりに勤めてる人でファンがいないものでしょうか。それはいいとして。
そんな感じでぬるっと始まった『Green Land』と『老夫婦』(秋発売の新作に入る新曲)。なんだかこの2曲は風景が見える感じがして、さすが舞台音楽を何本も手がけるインストバンドって感じです。その後もまたまったりMCが始まり、リーダーの「細野さんと最近は仲良し」自慢だとかが一通り済んだあたりで「新曲やります!」と始まったのが本日初披露の曲。これがまた非常にかっこいい!これは確実にアルバムで言うと1曲目でしょう!という、何かの幕開けのような印象です。トロンボーンは弾けているし、ドラムも跳ねてるし、ギターとベースで感想でリフのユニゾンなんかしちゃってたし。しかもこの曲、作曲は浜野隊長なのでした。浜野隊長の作曲才能が確実にサケに新たな息吹を吹き込んできています。その後、一息ついて「久々にやる曲」として始まったのが『殺すな』!!うわー、これはアガらざるを得ない。2年前の正月に京都で、それまで待ち焦がれたサケのライブを初めて見た時に本気でスゴいと思った曲なので、これを生で聴くと、オートマティックで泣きそうになる。この曲の伊藤名人のドラムソロの手数の多さ+切れ味の良さったら。この2曲は拍手が鳴りやみませんでした。この後はサケライブでは珍しい田中名人のMC。「この前のPVで女装したじゃない?」という突然の情報公開に驚きつつ、「角張社長の車に女装したまま助手席に乗ってたら、社長が信号無視したせいで警察に捕まり、警官に助手席を覗かれ『おぉ…』と言われた」という話を投下。この方はホントに打席に立つのが少ないのに確実にヒットorホームランを打つので、今度から心の中で「八木裕(a.k.a 代打の神様)」と呼ぼう。ちなみに田中名人の女装は「ヴィクトリア・ベッカムにOLの制服を着させた感じ」だそうです。ということは、確実に『会社員』のPVを撮ったってことですね?ものすごい勢いで楽しみです。と同時に「あ、もうスペシャボーイズがないから、そこで初オンエアとかはないんだ…」と関係ないところで切なくなる。まあ過去のことはもういいとして、未来を楽しみにしましょう。
と、こんな流れでサポートキーボードの野村卓史グッドラックヘイワ、ex.SAKEROCK)が登場、そしてリーダーはマリンバへシフトチェンジ。5人体制で始めたのは『テキカス!』。音源どおりにマリンバでメロディを奏でるその曲はさらに無国籍音楽に。そしてシングル発売が待てない超名曲『会社員』でリーダーはマリンバ激叩きスタイル、野村氏はグッドラックのライブ同様立ち上がってのオルガン演奏。これはホントにライブ栄えする曲です。早く我がiPodに入れて通勤時に聞きたいところです。そして畳みかけるように『青葉コック』。この曲を5人で演奏するようになってからというものの、毎回のようにアレンジが進化していくのが面白い。もう結構前からやっている曲なのに、まだまだ進化していくのがこのバンドの奥深さと言ったところなのでしょうか。みんなが飽きっぽい性格でよかったです。その後なぜか浜野隊長の「阿部サダヲdis*1」を挟み、ラストはもちろん『インストバンド』。この曲は初めて聴いた時にはあまりの感動にそれをみんなに伝えたくてしょうがない衝動に駆られてしまったのですが、そのときの感動が蘇りました。転調してからの歩み出していく感じが…やっぱ名曲です。

ビックリしました。アンコールは『生活』あたりで終了か、なにかサプライズでもあるのか、とか思ってたら後者でした。5人が再登場のあと、スペシャルゲストにて中納のよっちゃん登場!星野リーダーはコンピ「りんごの子守唄(白盤)」でのデュエット、浜野隊長はエゴのライブサポートとして共演しているのが縁なのか。これは予想できませんでした。この前のザンジバルナイトでその圧倒的な歌唱力を堪能できたのですが、中納さんソロ曲の『しずく』をサケバックに披露されたときは、その説得力に感動しました。同時にこれまでもイルリメ二階堂和美湯川潮音永積タカシ宮崎吐夢など数々のジャンルを超えた人たちを前に立たせて演奏してきたサケの懐の深さにも感動です。中納さんも「サケロックに入りたい!」と思わず漏らしてしまうほどです。最後は「もうオレ、この曲歌いません!」と星野リーダーに言わしめてしまった『スーダラ節』。いや、さっきも言いましたが、説得力がスゴい。何気にこのときは野村氏も加入している『スーダラ節』ってのも、かなりのムーディ具合を醸し出していました。ここでアンコール終了するも、当然拍手は鳴りやまず。Wアンコールでは恒例となった「浜野vs伊藤対決」を経ての『生活』で盛り上がって終了。さすがの伊藤名人も盛り上がったのがテンポがどんどん速くなっていくのに、こっちもアツくなりました。


ということで、長ったらしく、自分の傾倒っぷりを露呈してしまった今回のライブ。今のところ次のライブが決まっていないようですが、ひとまずは来月の「極東最前線2」、そして再来月の「会社員と今の私」「ラディカル・ホリデー その0」を心待ちにしております。次回の「大先輩」にはエゴラッピンを!と願いつつ、最後に今回のセットリストを書き記して締めたいと思います。

  1. 慰安旅行
  2. 七七日
  3. エイト・メロディーズ
  4. 今の私
  5. Green Land
  6. 老夫婦
  7. 新曲(作曲:浜野謙太)
  8. 殺すな
  9. テキカス!
  10. 会社員
  11. 青葉コック
  12. インストバンド

EC1.しずく(vo.中納良恵
EC2.スーダラ節(vo.中納良恵
WEC.生活

*1:もちろん本気ではない