「Loser's Parade」

for さえない日々

第2回 JAZZ ART せんがわ@仙川アヴェニューホール(6/13)

Twitterをしていると、自動的にライブ情報が集まってくる。その中で興味を持った情報を目にする。「ヒカシューや内橋和久や千住宗臣やジムオルークが出演するイベントが仙川であるよー」。なんだそれ?なんのイベントだ?とか思ってたら、こんなイベントだった。
第2回 JAZZ ART せんがわ〜 野生に還る音 親密な関係 生きる芸術 〜|調布市 せんがわ劇場 公演情報
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「JAZZ ART せんがわ」では,先端を行く国内演奏家に焦点をあて,メインストリームジャズと前衛的な音楽・アートパフォーマンスを中心とした活動を展開するとともに,舞台芸術家の支援・育成として一流のプロと市民演奏家とのセッションや交流を積極的に推進します。
プロ演奏家が演奏を行う場として「調布市せんがわ劇場」,プロと市民音楽家との交流やセッションの場として「仙川アヴェニューホール」を位置づけるともに,仙川駅前や商店街での演奏等を通じて,市民が気軽に音楽やアートを楽しめる空間を提供し,また仙川地域の賑わいと活性化を図ります。

【総合プロデュース】巻上公一
【設立メンバー】藤原清登 巻上公一 坂本弘道
JAZZ ART せんがわ 2008より引用

巻上公一プロデュースならばこんだけ豪華なメンバーが会すのは納得。いろいろ悩んだ挙句、土曜日の仙川アヴェニューホール一日券を購入。目的は、ドラびでお吉田達也


仙川の街にたどり着き、おもむろに会場に。13時から始まっていた巻上公一が先導を取る“自由即興”に少し遅れて入ると…そこは異空間。オレ、即興って、巻上さんがなんか演奏して、それに合わせてみんなが演奏していくスタイルなのかと思ってたんですが、全然そんなもんじゃなかった。巻上さんはあくまで司会。「はい、じゃあ次は君と、君。」という具合にその場で演奏者を決めてスタートさせる。それにしても即興というのは実におもしろい。各個人のエゴがぶつかっていて、みんながみんな「何を仕出かしてやろう」という殺気のようなものが見え隠れする。例えばドラマーだったら、ビートはもちろん刻まず、太鼓も叩かず、その辺にあるものを叩き出す。例えばボーカルだったらもちろん歌と呼べるようなものではなく呟いてみたり、突如笑いだしてみたり喚いてみたり。ボンゴを持ってきた女性は結局ボンゴを叩かずに寝そべりだし、マイクを取って喋り出したり他の人の楽器を勝手に演奏したり。なんか、演奏を見るというよりは演劇を見るのに近い。アングラ劇団だ。巻上さん自身も「これが一番おもしろいですから」なんておっしゃっていた。
そして次はドラびでお灰野敬二ドラびでおを一度生で見てみたかったので勇んでいたんですが、まず開演時間になっても準備が整わないため開場しない。10分押しで開場したと思ったら客入りと同時に二人は演奏をスタート。一楽氏の強靭なドラム+映像と灰野氏のノイズギターで開場はカオス。最初から妙な緊張感が漂っていました。始まって10分経ったあたりでどうも映像にトラブルがあったっぽく、ドラびでおの特徴である「ドラムをたたくことで映像を操る」ということができない状態。システムに異常が出だしてついに映像がMacのフォルダを表示している状態になり、ブルーバックで停止。それに激怒したのか、ローディーに八つ当たり、そしてドラムセットを破壊して早々に一楽さんがステージを後にしてしまった。どうしていいのかわからない客席。そして続くノイズギターの波。そのまま灰野氏は演奏を続行し、30分くらいで終了してしまった。なんとも後味の悪い感じになってしまった。うーん、残念。もう一度リベンジで見に行きたい。

最後はRUINS alone(吉田達也)。ドラムひとりでシーケンサーに合わせて歌いながら高速プログレを演奏。これは、もう、なんというか文句の言いようもない。さすが日本の至高ドラマー。ヘッドホンもせずにシーケンスをいじくりながら高速変拍子を刻み、さらに歌う。まったくもってどういう仕組みになっているのか理解ができない。「すごい」という陳腐な言葉しかでてきません。これは非常に満足しました。

このフェス?、街中で「CLUB JAZZ 屏風」という、屏風のなかに演奏者は一人か二人、お客さんが3人ぐらいで、凄く至近距離で見られる超小型移動式ライブハウスが出現していた。公園や会場前で突如現れたのを目撃しましたが、なんだかスゴいことになってました。すごいなー。なんだかいろいろな感情がうごめいた一日となりました。