「Loser's Parade」

for さえない日々

大原大次郎の少年タイポ展

大原大次郎さんの展示会に行ってきました。
場所は、あの、No.12 GALLERY。3階には写真家・平野太呂さんの事務所、2階にはカクバリズムの事務所が入っているという、言わば聖地のような場所です。SAKEROCKが好きな方は『殺すな』のPVの撮影場所としても有名ですね。当日は井の頭線東大駒場前駅から歩いて現地へ。途中、洋館ばかり目立つようなお金持ちの家を潜り抜け、あひるがいるマンション(?)がある上原二丁目の交差点を渡りついに聖地へ。…狭い!想像していたよりもずっと狭い!8畳くらいの広さのフロアが縦に3階まであるようなつくりで、人はそんなに入れないであろう建物。こんな場所でみんなわいわいと活動しているのか…。噂の「代々木上原の甲子園」は、思った以上に狭いという印象でした。
最終日の夕方近くにお邪魔したのですが、それでも中には10人ほどの見学者。そして大原さん自身もいらっしゃいました。そして気になる展示は…とにかくその仕事の異常な細かさに圧倒されました。まずは入口を入って真正面には、スケボーに描かれた文字(「文字に乗る」)。左右を見渡すと壁に掛けられた黒板に下書きなし一発でチョークにて描かれた象形っぽい文字。脇に据えられたベンチ風丸太に座ると、床には大量の絵コンテや原画、下書きの数々。大量の原画の中には、例えば「ラディカル・ホリデー」で出てきたアニメの原画、「スペシャボーイズ」で数回だけ放送された「星野源の途方に暮れたらうちで踊ろう」の文字デザインなどなど。そして「songs of instrumental」のジャケットに使用された木彫りのSAKEROCKまでもがありました。もう、その情報量に圧倒されてクラクラしました。特にすごかったのは、やはり「少年くそマガジン」。大原さんが中学〜高校時代に自主的に友人のみに配布していたという手書きの新聞。これがもう、「伝えたい!」という情熱に圧倒。今まさに皆さんが読んでらっしゃるようなブログがまだこの世に存在しない時代。そしてブログでは表現できない手書きの文字や切り抜きから発せられる熱はマグマ級。真髄を見た気がしました。なんだか、自分がブログを始めたきっかけであった「身近な人は誰も知らないから話せないけど、とにかくどこかに発散したい!」という初期衝動のあの感じを久し振りに思い出し、そしてもう一度そのきっかけを思い返す出来事になりました。初期衝動を表現するっていうのが、パンクですよね。