「Loser's Parade」

for さえない日々

口口口のライブを、ネットで見た。

ネットでライブの生中継なんてのは、今となってはさほど珍しいことでもない。最近ではU2YOUTUBEを利用して生中継をしていたし、もっと過去をたどれば、まだまだ一般家庭の回線は貧弱だった2000年頃に椎名林檎がライブをネット生中継していた。当時は一人暮らしの学生がパソコンを持ち、なおかつネットしてるというのはまだまだ多くはなかったため、こぞって友人が自分の家に来て生中継を小さな画面で眺めていたのを思い出す。
今回の口口口のライブ生中継が画期的だったのは、Twitterを使用してのライブ会場内外の巻き込み。そしてTwitterと相性のいい動画共有サイトUSTREAMを使用してのライブ配信だそうな。これが各地で評価されているのだが、いまいちその革新的なことが理解ができない。「これはすごい!」というより、「なんかいろいろ新しいものを利用して新しいものを創りだそうとしている」という感想にどうしても落ち着いてしまう。多分、もっとリテラシーが高く、情報社会に学が深ければいろいろな考察ができるのでしょうが…社会学を専攻していたくせに、自分。もっと勉強しなければ。話題の『Twitter社会学』でも買おうかしら。

さて、このライブですが、生中継していた映像が、そのままアーカイブされていますので、今でも見ることができます。
http://www.ustream.tv/recorded/2716550
このアーカイブなのですが、なんと、客入りの場面からスタートします。配信されていたもの、ノー編集。煩わしいと思ったら45:00頃からスタートさせてください。ライブは、当日、まさにさきほど開場前に並んでいた来場客のコメント+リハスタでの□□□の姿の映像がリミックスされた映像+音楽でスタート。あ、ちなみに音が大きくて割れてます。が、なんだか隠し撮り映像みたいでそれはそれで覗き見感覚として見れます。それにしても『ヒップホップの初期衝動』からの『GOLDEN KING』がすこぶるかっこいい!そして2MCになってアがり方が倍増した印象を受けて、これは今後の定番の流れになるんじゃないでしょうか。あと、バックで流れているいとうせいこうの今昔映像が面白い。そして続く『有志の宝くじ』では、これだけのために中村有志が登場。「当たった〜!!」の破壊力がハンパない。ちなみに気になるいとうせいこうの役割は、ラップはもちろんのこと、i-Phone、(マラカス代わりの)フリスク、指揮者、お湯をかき混ぜるなどなどとさすがの「非ミュージシャン」。そしていとうせいこうというメンバーでもありブレーンが加入したおかげで、ライブがすごくショーアップされている。快快のダンスを始めとするゲスト、映像、ライブ構成などなど。これは素直に楽しい。
途中、幾度となく話題にのぼるTwitterの話。最近発売されたアルバムは、日々の生活を密閉させた「everyday is a symphony」ということで、このアルバムだからこそのTwitter、そしてTwitterだからこそ「everyday is a symphony」というテーマはぴったりであることには異論はない。MCでも言っていたけど、オレが一番Twitterで魅力的に感じることは「人の生活を覗き見できること」。こうしているうちにも他人の生活というものは存在している。そういうものをリアルタイムで知ることができるのがTwitterであり、それは結局「生活=everyday」ということなんだと思う。とにかく、今回のアルバムに関してはTwitterと相性がいいし、大々的に取り上げるというのは面白いことだと思った。
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こうして様々な新しい試みが見れた今回のワンマンライブ。代官山Unitだけでなく、TwitterUSTREAMのあかげで世界中のありとあらゆる場所をまるごと演出してくれたのはやっぱり事実。これが今後の音楽体験の指針になるかどうかはわかりませんが、「こういうのも、面白いやりかただな」とは思いました。


あと、打ち上げまで生中継するのは、もうノリですよね。これはこれですごかった。