「Loser's Parade」

for さえない日々

グッドラックヘイワワンマン「二人大名」@下北沢シェルター

二人だけで行う、純粋なワンマンライブは初めてとのこと。

下北沢シェルターという、普段はスピーカーから大音量の音が響いているライブハウスというシチュエーションもあってか、非常にダイナミックな演奏だったように思う。更に今回はゲストなしの完全二人体制。二人だけだからこそ、楽曲がアイコンタクトでみるみる演奏は変化していく。それが如実に現れたのは、最後に行ったカバー曲『Guarachi Guaro』を演奏しているときのことだ。踊るような指使いで早いフレーズのイントロを弾く野村氏に、口笛と共にドラムを叩きはじめる伊藤名人。曲の中盤のある瞬間、両者とも堰を切ったかのように怒涛の弾きまくり、叩きまくりの展開があった。今までこのような展開は聴いたことがなかったけど、こんなアレンジに変えたのかな〜なんて思っていたが、それにしては即興性が高い。その証拠に、通常パターンに戻る際、若干リズムの乱れが垣間見れた。要するに、それは全てアドリブ・即興での展開だったと言うことだ。これぞ二人だけの醍醐味だったのではないかと思う。

それにしても今回は新しい試みが二つばかりあった。まずはドラムに…これはドラムシンセというのだろうか、「BIAS BS1」という、振動をトリガーとして音を出す機械がドラムの…多分スネアのリムあたりに取り付けられていたらしい。これにより、伊藤名人が通常ドラムに加え「ピューン」という電子音を出すことが可能となった。これは、昨年に発売されたコンピ「Love SQ」に収録された『チョコボのテーマ』で顕著に取り入れられていた。また、伊藤名人が新曲『床シンセ』で中盤、片手でハイハットを刻みつつ、横にあった小さな鍵盤(サンプラーMIDIキーボード?)を弾き始めた。名人、あなたはどれだけ進化するのですか!と震えるしかありませんでした。二人だからこそ、こういう特異な進化を遂げて行く(ドラムが鍵盤も弾く、というのは初期のmouse on the keysやってましたが)。

その他の感想としては「あ、2曲目で『tikoku』やっちゃうんだ!」とか、「『Stupid Warp』久々に生で聴いたな〜。あ、『宇宙の犬』も」「『てくてく様』『床シンセ』と新曲に曲名をつけてしまう言語センスはなんなんだ」などなど思いましたが、とにかく、昨年のワンマンでは計7名での豪華な演奏も堪能しましたが、二人っきりは二人っきりで、より迫力が伝わってくる、しかも下北沢シェルターというハコの規模や空気感によってそれが増幅されて、それはそれは見とれてしまったのでした。

もちろん新作「Flash車返Disc団地」も購入。それにしても、これもなんて言語感覚だ…。