「Loser's Parade」

for さえない日々

知られざる、大関泰幸監督のお話

イルリメのニューアルバム「360°SOUNDS」が発売になりました。

360°SOUNDS360°SOUNDS
イルリメ

曲名リスト
1. トリミング
2. HELLO MELLOW
3. フィジカルグラフィティ
4. WE ARE THE SOUND
5. とらべるびいつ

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
それを記念して、カクバリズムにてスペシャルサイトがオープンしています。
カクバリズム:スペシャル
今作のレビュー、制作陣のインタビューが掲載され、今後はアカペラバージョンのMP3無料配布だとかが計画されているようですが、この中で、カクバリズムが好きな方にはおなじみ、大関泰幸さんのインタビューがありました。
制作サイドインタビューその2 「トリミング」MV監督・大関泰幸氏
イルリメの新作のスペシャルサイトなのに、このインタビューでは「どういう経緯で映像の世界に入るようになったのか?」ということで学生時代からさかのぼって話を聞いています。それが非常に興味深い。例えば、実はかつて存在していたヨシモトファンダンゴTVで放送されていたダイノジの番組「DRF」のディレクターをやっていただとか、学生時代に学祭にYOUR SONG IS GOODを呼んだだとか、デザイナーの大原大次郎さんとは学生時代の知り合いだとか…。その中でも、このブログの特性として、SAKEROCKに重点を置いたものをピックアップしてみましょう。

そのあたりからYSIGと仲良くなると思うんですよ。まあ最初はバリカクだと思うんですけど、もともと彼は西荻窪のワッツというライブハウスの店員で、 TOONICEやってた頃から早めにコンタクト取ってきてくれて。あ、でもYSIGより先にSAKEROCKだ。SAKEROCKってバンドをウチで初めてやるからPV作りたいんだけど、予算が全然無いから大関なんかやってくんない?ってバリカクから言われてやるんです。SAKEROCKの「殺すな」って曲のMVで下北の喫茶店にSAKEROCKの源君とバリカクが居て、そこに行って打ち合わせをしたかな。源君が最後に家に来て口出ししてくれてそれで完成したような記憶があります。

今や大関さん=ユアソンのイメージが強いですが、そういえば最初は大関さん=SAKEROCKだったのです。カクバリズムの事務所があるNo.12 GALLERYで撮影された『殺すな』のPVをスペシャで見て「かっこいい!」と思ったのがSAKEROCKに興味を持つようになったきっかけでした。その後一緒にツアーを回り「ぐうぜんのきろく」を作成し、スペシャで放送されていた「浜野謙太の下克上」を撮るなど、しばらく大関さんはSAKEROCKと共に行動していました。しかし、ここから大関さんが赤裸々に告白します。

2006年かな、SAKEROCKが凄い人気が出て来て、スペシャボーイズって番組で、その中に源君のコーナーが始まるんですよ、源君が大関さんとやりたいです、って言ってくれて、凄く嬉しかったですけど何やったらいいのかもの凄く悩んじゃって。ハマケンの下克上やってる時と今回のはまたやり方が違うし、源君の考えてる面白い事、こういうのやりたいっていう事にあうアイデアが上手く出せなかったんですよね。で、そこからSAKEROCKの映像を山岸聖太さんという方がやるようになって、そのあたりでスゲー悩んだんですよ。うわーきたなーって。薄々は分かってたんですけど、やっと直面して。このままだと駄目だなーって悩んでた時代なんですよね。それがもう本当にくやしくて、まああたりまえなんですけど、まあSAKEROCKは凄い好きなバンドだったし、 YSIGもそうなんですけど、そのバンドのレベルに、自分が追いついてないなと。そのレベルに追いついてないのに仲が良いからって理由でやらせてもらってた部分がいっぱいあったから、そこを見直したんですよ。

確かに、スペシャボーイズのワンコーナー「星野源の途方に暮れたらうちで踊ろう*1は、あっという間に終わってしまったコーナーでした。その後、星野源は新たなパートナー、山岸聖太氏とともに「山田一郎」を結成することとなります。カクバリズム所属のアーティストはどうしてもチームというか、固定メンバーのイメージがあるため、担当が変わったという出来事は多少なりとも驚いたことを覚えています。連れてきたのがノイローゼコンテンツの申し子だったというインパクトも合わせて。
その後、模索しながら大関さんはひとつの作風を獲得します。そしてようやくユアソンのPVを監督することができたという感動話までつながるのですが、実際に読んでいただきたいです。大関監督作品も一緒に見ることができます。


そんな大関さんが監督されたイルリメの名曲『トリミング』。

ちなみにこの曲は「www.illreme.com」に収録されていたものの再レコーディングバージョンで、弾き語りで唄ったりもするほどお馴染みの曲。サンプリングの元ネタは三沢洋紀率いるLABCRYの『ハートのビート』です。

LABCRY
LABCRYLABCRY

nowgomix Records 2003-08-27
売り上げランキング : 68313

おすすめ平均 star
starPOP好き必聴
starPOPの傑作

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

*1:今さらですが、このタイトルって「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」のオマージュですかね。