「Loser's Parade」

for さえない日々

Springfields '10 〜大阪場所〜 @服部緑地野外音楽堂

ゴールデンウィークの帰省を利用しSpringfieldsの大阪場所へ行きました。場所は服部緑地公園。地下鉄御堂筋線千里中央方向へ向かい、緑地公園駅で下車。
服部緑地駅」…。私は2003年から2006年までこの駅から梅田方面へ一つ進んだ江坂で働いていました。社会人としてスタートを切った地である大阪府吹田市。このあたりはよくよく知っているつもりではいましたが、服部緑地公園には一度も来たことはありませんでした。2006年途中で広島に転勤になり、更に1年後、東京転勤となり、その数カ月後に会社を辞めたため、もうこのあたりに来ることはないと思っていたのですが、まさかこんな形で再び足を踏み入れるとは思っていませんでした。いや、今回の場所は緑地公園だから再び足を踏み入れたわけではないのですが…。なんか、気分的に、ねぇ?よく新御堂筋を営業車で疾走してたし。


最初っから細野さんを見れるってことでドキドキで入場。ちなみにオープニングアクトであった青葉市子は入場した途端に終わってしまったので見れず。今回の注目は鈴木茂が登場するという出来事だったのですが、これが本当によかった。もう、鈴木茂大フィーチャー。昨年はがっかりさせられる事件を起こしてしまったため、もう日の目を見ることはできないのかと思っていたのですが、そこを細野さんが手をさしのべるかのように今回のゲスト参加。セットリストには、細野さんが後ろにさがりパーカッションを担当し、茂さんがメインとなる曲(「CARAVAN」)も。そしてもちろん、細野さんは相変わらず昔の音楽の伝道師として渋く歌い上げられていました。それにしてもこんなメンツの中でドラムを担当する伊藤名人が頼もしすぎます。
続いて、星野源バンド。メンバーはドラムに伊藤大地、ベースが伊賀航、キーボードに野村卓史。途中、ペダルスティールの高田漣も参加。ちなみにこのメンツ、野村卓史以外は細野さんのバンド布陣とかぶっている。さて、星野ソロについてだが、これまで数回生で弾き語りを見てきている。風呂ロックを見に行ったときには数々の新曲も聴いている。その前に、「ばらばら」というCDブックも存在しているため、何度も何度も聴いてきた。ただし、それらはすべて弾き語り、もしくは宅録である。今回初めてバンド編成で聴くということで、いったいどのようになるのかと思っていたのだが、これがなんだがとっても照れくさい感じになってしまった。親しい間柄では全くないのにこのようなことを感じるのも変な感じなのだが、1曲目の「ばらばら」はリーダーの代表曲であり、幾度となく聴いてきているにもかかわらず、全く違う曲になっていた。なんというか、半袖短パンでいつもいたハズのあのガキが、いつのまにか大人になっておしゃれになっていたような感じ。いや、ちょっと違うか。今までほうほうと見ていた建築物が実は骨組みだけであり、しばらくしたら立派に装飾されていたような感じ。これも違う。とにかく、要するにちょっと壮大になっていたということなのです。まぁ、当たり前のことなんですが。
弾き語りで聴き馴染んでいた曲はどうにもこそばゆい印象では会ったのだが、それに引き換え新曲についてはまだ知らない曲だ。この前の風呂ロックでたとえ聞いていた曲であったとしても耳が慣れていない。そのため、すんなりとその演奏に入り込むことができた。それらの新曲の中で一番驚いたのは細野さんが作曲した「ただいま」という曲だ。なんと、歌詞に英語が混じっていた。今までのリーダーではありえなかった(と、勝手に想像する)。どんな心境の変化なのだろうか。ちなみにメロディですが、聴くと「ああ、細野さんっぽい」感じ。今回演奏された8曲で一番印象に残ったのは「老夫婦」だ。これはSAKEROCKで先に披露されていた曲のいわゆるセルフカバーになると思うのですが、歌詞もいいし伊藤名人のコーラスが加わった後半もよかった。ここからは個人的な意見ですが、星野リーダーの歌詞については、オレは「ストーリー風味」になっている方が好みである。「選手」「ばかのうた」「穴を掘る」「夜中唄」なんて典型的だ。今回の新曲は「キッチン」にしろ「くせのうた」にしろ割と「生活臭がする」ものが多い気がする。そんな中、新曲の中で物語モードの曲であった「老夫婦」が心にしみ、更にインストとは違う歌モノバンドアレンジと変化していくと、とっても深みが増して素晴らしかったのでした。あと素晴らしかったのは伊藤名人が終始コーラスを担当していたことと、コーラスがないところでも一緒にリーダーと(マイクは通さず)唄いながらドラムを叩いているところでした。さすが唄うドラマー。
次が矢野顕子だというのはセッティングの時点で一目瞭然だった。なにせグランドピアノひとつだけ。それにしてもアッコちゃんの歌の凄さよ。カバー曲をやったとしてもすべて自分の曲になってしまう。ELLEGARDEN「右手」は原曲を知らないためなんとも言えないが、山口百恵いい日旅立ち」はサビでようやくわかるくらい。また、印象的だったのは「忘れないために」歌われた忌野清志郎について歌った「きよしちゃん」。「きよしちゃん きよしちゃん いい曲作るね きよしちゃん」という歌詞に、もうあの出来事から1年が経つのかと思わされました。
最後にUA。バンドメンバーはギターに内橋和久、ベースに鈴木正人、ドラムに芳垣安洋。そしてホーン隊3名にコーラス2名と、いきなりの大所帯、そして強力な布陣。UA、5年前の音泉魂で出演していたのに寝てしまっていたので見れなかったので今回が初めてだったのですが、かっこよかった。音源持ってないのですが、意外に知っている曲を連発してくれてすんなり入り込めました。服部緑地公園の音楽堂には高校時代に応援団の練習のために来ていたようで、さすが地元。


かなり偏った感想になりましたが、Springfieldsはとてもゆるやかな感じで心地良かったです。遠征してフェスやイベントに参加するのもいいですね。