「Loser's Parade」

for さえない日々

Rehabilitation(yes, mama ok?再始動ライブ)@下北沢mona records

今年のオレの夏フェスは、これでした。


金剛地武志率いる、yes,mama okの再始動ライブに行きました。ひとまず、コアなファンの方々には本当に申し訳なく思う。今回のライブは「再始動」と銘打っている通り、彼らにとっては4年ぶり。そして4年前に行われたライブ自体は2年ぶりだったらしい。だいたい、最新オリジナルアルバム「CEO」が出たのは10年前の2000年だ。つまり、筋金入りのファンはもう10年近く待ちわびていたのだ。それに比べて自分はちゃんとイエママの音を知ったのはつい去年のことで、完全にペーペー。もちろん金剛地武志という人物のことは知っていたし、彼が元々はミュージシャンであること、そしてイエママの名前は知っていた。しかし、ちゃんと音源を聞いたのはつい昨年だし、聞いたのも「Q&A 65000」だけ。あとはYOUTUBEなどを駆使してシングル曲などを聞きかじった程度。そんな自分が果たして再始動ライブなんて貴重なライブに行っていいのだろうか?と躊躇していましたが、「これをみすみす逃すっていうのもなんか違う!ペーペーだったら今から追いつけばいい!」と決意しチケット予約。その数時間後、チケットは売り切れてしまいました。


というわけでようやくライブについて。超満員の会場にてピチカートファイブのようにキラキラした音楽だったオープニングアクト的存在のユメトコスメに続き、準備を始めるは金剛地武志。服装は、アロハに短パンでかなり気を抜いた感じだったのだが、これがリハビリということなのだろうか。ドラム、ベースを従えて演奏を開始。あれ?さっき一緒にセッティングしてた相方の高橋さんは?と気になったがごく普通にライブは進行。そしてそして、曲は言うまでもなくカッコよくて陶酔。ああ、オレ、本当にイエママのライブを見に来ちゃったんだ…。特に『双子の美人秘書』のアレンジがすごいカッコよくて久々にライブを見ていて鳥肌が立った。
そうこうしているウチに、キラーこと高橋晃氏がようやく登場。と言っても、客席前方で待機していただけだったのですが。ここからがおそらくイエママの本領発揮。とにかくこの人が何をしでかすのかわからない。SAXを持っているにもかかわらず「ヘタだし危ない橋は渡らない」って理由でタンバリンを叩くだけだとか、ときどきコーラスっぽいことするけど、ステージをうろちょろしたりたまにちょっと踊ってみたり。「そもそも今日、何演奏するの?」「リハ、2回も行ったんだよ。すごいでしょ。」と言い出したり、「あ、セットリストにアンコールって項目がある」と暴露したりとやりたい放題。でも、絶対に必要な存在なんだろうな。ハッピー・マンデーズにベズ、電気グルーヴピエール瀧が存在しているように、音楽的貢献度ゼロだけどyes,mama ok?には高橋晃が不可欠なのだ。そもそも自分がmona recordsに入ろうとしているときにキラー氏が中から出てきて、その場にいた知り合いらしき客に「ちょっと楽器忘れてきたから買いに行ってくる」っていうのを聞いてしまった時点でオレ的評価は満点です。
曲をあまり知らない自分だったが、それでもやはり盛り上がるし、知ってる曲が演奏されると更にテンションは急上昇。特に自分がイエママにハマるきっかけとなった『Q&A call 65000』が演奏されると、あまりのかっこよさに泣きそうになった。金剛地氏のギターは「リハビリ中」ゆえか、おぼつかないところも多々あったけど、それでも独特のコード使いは釘付けになってしまうほど。いったい何曲やったのかは覚えていないが、それでも本当にあっという間に奇跡的なライブは終了したのでした。


はてなの解説文が異様に気合が入っていて、ずっと気になる存在だったyes, mama ok?。その解説文にあるとおり、とにかくいろんな要素が盛りだくさん。ライブが凄いっていうのも納得。しんみりしたり盛り上がったり笑ったりと…って、これってもしかして、SAKE ROCKと似ているんじゃないだろうか。象徴的キャラクターがいたり、なんだか全体的にゆるかったり、曲はかっこいいのにそれだけじゃ終わらない無駄な要素が盛り沢山だったり。更に言えば曲だって、コード進行が複雑なのにメロディーがポップで、更に歌詞もすごくグッと来るだなんて星野ソロに通ずるところもあるんじゃないか。そうだそうだ!もしかして、だからハマったんじゃないか?オレ。なんだかそんな匂いを嗅ぎつけてしまっていたのだろうか。というわけで、改めてイエママの世界につかるために、ようやく「Incomplete Questions」をポチりました。更に稀少価値が高くて一時期オークションでは6万円という金額に跳ね上がっていたらしい「CEO」もリマスター、2枚組(2枚目はレアトラック集を追加)として来月9月22日に再発売が決定したので、こちらも楽しみにしています。ライブも今年、またやるっぽいこと言ってましたよ!


ちなみにこの日「新・キラー」*1という名札を下げつつベースを弾いていたのは澤部さんという方。この人、金剛地氏がUstをやる際、必ず隣にいた人だ。いったい何者なんだろう?と思って調べてみたら、なんと1987年生まれで中学の時からイエママのファンだった人物だそうな。なんということだ。これこそ、ファンの究極ではないか。特定のバンドのファンであるならば誰もが「もし好きなバンドに自分が加入することになったら…」と妄想することだろう。するに決まっている。しなければおかしい。例えば自分ならその対象はSAKE ROCKだ。なにせSAKEではテルミン奏者の吉岡利浩さん*2という先駆者がいる。
「もし急に客席からステージに上げられて一緒に演奏することになったらどうしよう…。その日のためにも曲をコピーしないと!…あー!ギター*3のコードが全然解析できない!難しい!こんなんじゃ迷惑をかけてしまう…。というか、ギターはすでにいるんだから一緒のことやってても意味ないじゃないか。ならばリーダーがマリンバを担当したとき用のギター要員として存在すればいいのか*4!えーと…ダメだー!あのオリジナル感に上乗せするオリジナル感をまったく持ちあわせていない!ならばいっそのこと吉岡さんのテルミンのように全然違う楽器で加入するか?えーと、えーと…金管楽器だったらハマケンとユニゾンするだけでかっこいいんじゃないだろうか?それならコピーもしやすいし!よし!そうと決まれば練習だ!楽器ないけど。」
まあ、こういう妄想を繰り広げるのがここ数年の日課なわけですが、いわば、その妄想が現実になってしまったということじゃないですか。すごい。あとさっきの妄想は忘れてください。

*1:高橋さんは「真・キラー」という名札着用で登場

*2:「トロピカル道中」でレコーディング参加されているこの方は、元々サケのファンだったという噂。

*3:筆者が唯一まともに演奏できる楽器。

*4:この辺から破綻しているのは自覚してます。