「Loser's Parade」

for さえない日々

CEO -10th Anniversary Deluxe Edition-/yes, mama ok?

悲劇の名盤と言われたyes, mama ok?のアルバムが、10年ぶりに再発されました。
この『CEO』というアルバムがなぜ「悲劇の名盤」と言われているかというと、メンバーの金剛地武志自身が設立したばかりだったレーベル「エチケット・レコーディング」から発売されたこのアルバムは、発売1カ月後に親会社が突如倒産し、その影響で廃盤、回収、消却へと追い込まれてしまったためだ。その後しばらくはamazonヤフオクでは一時期10万円近くの非常な高値がついていたほど、聞きたくても聞けないという人が溢れていたそうな。そして、これを機に徐々に金剛地武志はタレント業にシフトをはじめ、数年後に「謎のエアギター芸人」としてテレビに登場することとなる。
そんな金剛地武志は今年、ずっと所属していた芸能事務所を辞め、フリーランスとしての活動をはじめた。と同時に、彼の本来の姿である「yes, mama ok?」のメンバーとして音楽活動を再開した。このアルバムを再発するにあたり、彼は「僕の中で最後まで止まっていた時計の針が動き出した」と表現している。ちなみにこの再発アルバムは、当初の発売日から何度か延期された。それに対して最近、Ustreamを使用し「謝罪会見」と称した配信が夜中に行われた。自分は2時くらいで視聴から脱落してしまったが、朝の4時くらいまで配信され続け、しまいには金剛地が酔いまくっていたらしい。

上のキャプチャーは、まだそこまで酔っていないとき(相方の高橋キラー氏はソファーで寝ちゃってるけど)に行われたアンプラグドライブ。

このブログでは、昨年ようやくyes, mama ok?の素晴らしさを知り、語り始めたところだ。ファン歴はまだ1年。しかし、このタイミングで彼らは活動を再開してくれた。なんだか、ちょっとこれって運命なのかも、と勝手に思い込んでいる。偶然にも彼らがかつてホームとして活動していた渋谷の「青い部屋」というライブハウスは、SAKEROCKもかつてよく出演していたそうだ。これも何か繋がっている気を勝手にしている。
そんな『CEO』の内容は、以下のように本当に素晴らしい。

あ、間違えた。ま、これも収録曲だしある意味素晴らしいけど。

このPVを見てもわかる通り、とにかく金剛地氏のギターコードは複雑。まるで役者も兼業しているどっかのインストバンドのリーダーのコード使いのようだ。
特に好きなのは以下の2曲。


特に「days of heliotrope」は本当に名曲だと思う。この曲はブックレットにコード譜、ジャケットにはタブ譜まで用意されているために最近は毎日練習している。いや、本当に、これを聞いて気になった人は試しに買ってみたらいいと思う。今回の再発盤は2枚組となっており、2枚目にはレア音源、ライブ音源、そして新曲デモまで収録されている。

CEO -10th Anniversary Deluxe Edition-
CEO -10th Anniversary Deluxe Edition-yes mama ok?


Amazonで詳しく見る
by G-Tools
asin:B003ZUTD64


最後に、金剛地武志がブックレットで語った思いを抜粋します。

僕にとってこの『CEO』の再発は、やはりどうしてもやっておかなければいけないことだと思う。中古市場での馬鹿げた狂乱も、エアギターの空回りも。宙吊りだった10年間の現実の全てに、保留してきた回答の全てに、「yes」と一言肯定してあげる為に。そしてその為のこれまでであり、その為のこれからであると証明する為に。