「Loser's Parade」

for さえない日々

SAKEROCK「4thアルバム『MUDA』発売記念ワンマンライブ」@赤坂ブリッツ

今年最後のワンマンライブに、最強の助っ人が登場しました。セッティング段階でキーボードらしきものが見えたので誰が来るのかと思ったら!
先週はキネマ倶楽部でドタバタのライブを繰り広げたSAKEROCK。今回は赤坂ブリッツでのワンマンで、会場の雰囲気が全然違う。以前この会場でライブをしたときは映像を使った演出があって今回はどんなことになるのだろうとワクワク。そんなこの日のライブを振り返ってみます。


最初の演奏はMCなしでぶっ続けで6曲演奏。アコースティックな雰囲気で『モズレア』から始まり、『Green Land』、そして前回のライブではドラムソロから始まった『穴を掘る』は、4人が音を確かめるようにルーズな演奏をしてからアコギのカッティングで始まった。そしてMCもなくギターを持ち替えて『進化』、『老夫婦』、そして久しぶりの『七七日』。ちなみにこのときハマケンが『七七日』の出だしを盛大に吹き間違えて演奏をストップさせてしまうアクシデントがありました。
「…あー!苦しかった!」とここで一気にダラダラMC開始。「いっつもダラダラ喋っちゃうのでMCなしで一気に来てみた」そうだが、ここでは10分くらいメンバー紹介を交えつつ会話。ここのMCで印象的だったのは伊藤名人がお菓子ばっか食べて食事を取らないという話から「ちゃんと野菜食べてる?バーニャカウダとか…」と誰かが会話を振ったときの「バーニャカウダ?何それ?店の名前?」と答えてしまった伊藤名人の姿でした。いろいろ話した結果、「じゃあ今日の打ち上げはバーニャカウダバーに行こうよ」という結論を導き出していました。そんなバーが存在するのか知りませんが。
次に今度はギターを新たに導入したテレキャスターシンラインに持ち替えて新アルバムより立て続けに披露。『MUDA』は前回のライブに引き続き今度はハマケンがミスった箇所があったためにまたもアンコールでリベンジすることに。『Green Mockus』が終わったあとに「ハマケン、歌いたいの?」とリーダーが切りだし、これも久しぶりの『京都』。スローバージョンの『京都』、ハマケンは最近在日ファンクの方でボーカルを披露しているためにねっとりとステップ付きで歌い上げていました。そしてボーカル浜野が一段落つこうかとした矢先にリーダーが『URAWA-City』のイントロを引き始め、慌ててトロンボーンを持ち始めるハマケン。その影響かここでも出だしの音を外していたような…。
続く『FUNK』では先週に引き続いて途中でウィスパーボイスでファンキーなスキャットを披露するハマケン。そして続けざまに音源よりテンポ早めで『WONDER MOON』。この曲は本当ライブで映えるなー。そして大きなタイム感が気持ちいい『Goodbye My Son』、シンプルな演奏が沁みる『KAGAYAKI』で新アルバムからの曲披露コーナーは終了。
続いて「1年ぶりにマリンバを叩こうかと思います。」とリーダーが発言。おお!これは嬉しい!あ、でもセッティングのときに見えたキーボードらしきものって、マリンバだったの?でも開演前にローディーさんが鍵盤の音がチェックしてたように見えたのになぁ…と思っていたら「ちょっとマリンバを取ってきます」とリーダーが袖に引っ込んでしまった。と、大きなマリンバをリーダーが運んできたかと思えば、リーダーと共に運んできたのがなんと池田貴史!fromレキシ、100s!ex.SUPER BUTTER DOG!まさかの池ちゃんの登場に会場全体が驚きの声に包まれました。そしてステージ上に黒い布で隠されていたものを取り上げると、「FILA」もどきのFUNKステッカーなどが貼られたキーボードが登場!これにはかなりテンションが上がりました。
ここからは池ちゃんの独壇場。演奏もせずに更に磨きがかかったムダ話。SAKEROCKのメンバーに田中名人→縄文、伊藤名人→ハカセ、ハマケン→浜田、リーダー→漬物とあだ名を付けただとか、「ウチャーン!ジャッキーれーす!」とウリナリドーバー海峡横断のときにウッチャンへ応援メッセージを贈ったときのジャッキー・チェンのモノマネだとか、「クッキーモンスター」の発音がやたら良かったりとか、文字じゃ全然伝えられませんが、とにかく矢継ぎ早にどんどんネタが溢れてくる。さすがいとうせいこう曰く「日本3大おもしろミュージシャンの一人」。
そして池ちゃんが入って披露された『最北端』、そして『会社員』。…ビックリしました。鍵盤奏者が変わるだけでこんなにも曲の雰囲気が一変してしまうのかと。もう、とにかくファンキーで豪快。特に『会社員』のようなテンポが早い曲では単なる伴奏に留まらない個性あふれるフレーズの連発!これ絶対映像でもう一回見たい!そういえば今回マリンバはステージ中央に配置されたので姿がよく見えたのですが『千のナイフ妖怪道中記』はいつ見てもバチさばきに目が行ってしまう。あとこの曲は途中で伊藤名人がスティックからタンバリンに素早く持ち変える動作が好き。タンバリンでシンバルを叩いて再度スティックに素早く持ち帰る動作も。
マリンバからギターにスイッチして『ホニャララ』。ここでも池ちゃんのファンキーシンセが炸裂。椅子に座らずノリノリで演奏する姿がひたすらかっこいい。しかしあまりにノリノリだったためにブレイクからテンポが一気に早くなるところの演奏を失敗してしまう場面も。でも一度失敗したテンポよりも更に早くして弾き切った池ちゃんのプロ魂!そしてその速さに全然演奏が着いて行けなくなってしまった浜野ボーン。最後はこの5人で演奏する『サケロックのテーマ Part2』!この曲、去年の「ねんまつのぐうぜん」以来!これは嬉しい!ミニアルバム「慰安旅行」に入っている曲をバージョンアップさせたこの曲はアレンジがすごくドラマチックになっていてかっこいいんです。改めて音源にしないかなー。
ここで池ちゃんが引っ込んで最後の曲。「なんか、4人だけ残されちゃって一気に静かになっちゃったね…」と台風一過状態に。「あんなひょうきんな人が出てきた後でこの曲やるのか…普通の人が…」とハマケンが思わず漏らしてしまった『生活』で終了。生活の対決はどんなフレーズが出てきたか…忘れようにも思い出せない、見事に。


アンコールはさっきのバカバカしさから一転して『今の私』でしんみり。そして再度池ちゃんを呼びこんで披露した『インストバンド』が凄かった。野村卓史が弾く繊細さとは真逆の豪快かつファンキーなピアノは、曲が生まれ変わったくらいに聴こえた。もちろん野村氏が弾く厳かな『インストバンド』も好きだけど、池ちゃんの弾くジャジーで音数の多い『インストバンド』も良かった!「songs of instrumental」では『インストバンドの唄』を永積タカシが唄いましたが、まさか数年後、『インストバンド』を池ちゃんが弾くことになるとは誰が想像したでしょうか。その繋がりもなんだか感動的でした。そしてアンコール最後に「そうだ、この曲そういややってなかった!」の『慰安旅行』で〆。更に客電が点いた中、ライブ中に公言したとおりWアンコールとしてもう一度『MUDA』を披露してライブは終了しました。約3時間近くやっていたかと思います。とにかく池ちゃんとのMCが長かった!面白かったけど。


ちなみに池ちゃん、そういや先週のキネマ倶楽部で見かけてたんですよ。Twitterでもその日に「M.U.D.A.」とつぶやいてましたし。それがまさかこんな裏があっただなんて。あと今年の9月にはハマケンが池ちゃんたちとライブ前に上野で遊んでいる姿をネットに上げてましたね。そんな池ちゃんのライブ終了後の姿はこちら。あと、来年から始まるツアーは4人で回るそうですが、3月に行われる渋谷AXでのツアーファイナルにも池ちゃんは出演するそうです。これは期待!
あとどこかのMCで言ってたハマケンとリーダーの高校生時代のエピソードが面白かった。リーダーが卒業するときに「源くんが卒業しちゃうなんて!」と号泣しつつ手紙を渡したそうで、その内容は「(源くんが好きだっていう)あの彼女はちょっとどうかと思います」という女性の趣味批判だったそうな。なんちゅう腐女子受けするエピソードだよ…。


というわけで最後に某所で拾ってきたセットリストを載せておきまーす。

01.モズレア
02.Green Land
03.穴を掘る
04.進化
05.老夫婦
06.七七日
07.MUDA
08.Green Mockus
09.京都
10.URAWA-City
11.FUNK
12.WONDER MOON
13.Goodbye My Son
14.KAGAYAKI
15.最北端(with 池田貴史
16.会社員(with 池田貴史
17.千のナイフ妖怪道中記(with 池田貴史
18.ホニャララ(with 池田貴史
19.サケロックのテーマ Part2(with 池田貴史
20.生活
en1.今の私
en2.インストバンド(with 池田貴史
en3.慰安旅行
W-en.MUDA