「Loser's Parade」

for さえない日々

BeVeci Calopueno/モーモールルギャバン

聴けば聴くほど好きになっていきます。

モーモールルギャバン (1/6) - 音楽ナタリー Power Push
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モーモールルギャバン 『BeVeci Calopueno』 - TOWER RECORDS ONLINE

今までのCDに比べると、ぱっと聴くと「あれ?」っと思う。全体的になんだかシリアスだからだ。どうしてもモーモーと言えばハチャメチャな印象があった。『ユキちゃん』シリーズや『サイケな恋人』や『パンティー泥棒の唄』などのパンティー連呼曲の数々。そしてライブの破天荒さ。今回のアルバムからそういった匂いが感じられない。しかし、それは「期待はずれ」という意味ではなく、新たな面を見せつけられた感じ。シリアスでポップで、やっぱり変態で、でもセンチメンタル。そんな形容詞を並べてしまいます。
1曲目の『UWABURN』ではドカーン!とディストーションキーボード、スネアの連打、うねるベースと呪怨のような叫び、変拍子の嵐。2曲目の『BeVeci Calopueno』はその混沌とした余韻を引きずったインスト。そして今回のリード曲『Hello!!Mr.Coke-High』へ。1曲目からこの曲のイントロぐらいまではずっと混沌としていて、ここまでの道のりは少々長く感じますが、サビでぱーっと開ける視界がすごく気持ちいいです。この曲の途中で突然1拍子多くなるブレイク前がすごく好き。「コークハイ」と「後悔」を掛けているっぽい切ない歌詞も好き。
『ATTENTION!』の図太いベースとサビのメロディが好き。『変な人』の動きまくるベースラインが好き。アウトロのリコーダーの切なさが好き。『ワタシハワタシ』のユコのボーカルがやけに艶っぽくて、演奏もなんかちょっとエロい。『Smells like SURUME!!』は以前ライブで聴いたことあったけど、「あれ?こんな無っ茶苦茶な感じだっけ?」と思うくらいにノイジーでカオティックでプログレッシブ。『821』はさっきと曲と打って変わってローファイでちょっと可愛らしいサウンド。『パンティくわえたドラ猫の唄』は一番“モーモーらしい”曲で勢いあるファンキーでライブで絶対盛り上がること間違い無し。
『Kitchen』は再びユコボーカルで、個人的にすごく好き。「素敵なKitchenで〜」っていうこのサビが頭にこびりつく。それに続く歌詞が「ニワトリを絞め殺す〜」なんですが。椎名林檎が歌っていても違和感がない感じ。『愛と平和の使者』はこのアルバムのハイライトになるような曲で、前作で言う『悲しみは地下鉄で』くらいの位置だと思うのですがいかがでしょうか。「この国は生きにくい」とポップに悲しく歌った後の「あいつはゲイだった 彼氏もゲイだった」とサビで爆発するこの感じ。泣きメロ満載で壮大。締めには『rendez-vous』でしっとりと、最後に大合唱した、と思ったら初回盤にはボーナストラックとして『美沙子に捧げるラブソング』でブチ壊し!


結論、名盤。

B004JZDXUGBeVeci Calopueno(初回限定盤)
モーモールルギャバン
ビクターエンタテインメント 2011-03-16

by G-Tools
asin:B004JZDXUG