「Loser's Parade」

for さえない日々

SPACE SHOWER TV presents 「VOICES」@日比谷野外大音楽堂

スペースシャワーTVが企画したイベントで、星野源ハンバートハンバートの2組による野音でのライブ。当日は雨。いわゆる「雨の野音」でした。
http://www.spaceshowertv.com/voices/
野外フェスの経験が浅いために装備もなく、慌てて雨具を買いに街へ。無印良品大きめの黒いポンチョを購入し、「これは便利だ」だなんて思っていたら、いざ装着してみるとその姿はまるで黒魔道士。もしくは「美容院を途中で抜けてきた人」…って、初対面の方に言われました。オシャレなヤツを買うべきだったか…。でも高いんだもんなー。


ステージはでかい風船だったりトナカイやブタ、木の形をしたオブジェでデコレーションされている。更にBGMは小鳥のさえずりや川の流れる音。イメージはまさしく「森」。うん!このイベントのターゲットに思う存分訴えかけてる感じ!マーケティングどおりの舞台デザイン!でもこの雨で小鳥のさえずりがBGMって、ちょっとどうかと思いました!
開演時間になると星野源が一人で登場。「雨の野音って憧れだったんですよ」と言ってさっそく歌い始めたのが…え?あっ!これは!ASKAの『はじまりはいつも雨』!思わぬ選曲についつい笑ってしまった。「雨が降ったら歌おうって決めてたんです」と、変化球で始まった弾き語り。続いて恒例の『歌を歌うときは』、そして『キッチン』『ばらばら』を丁寧に歌う。雨が降っていて観覧の環境としては悪条件だけど、なぜかしんみり。
ここからはバンドが登場。今回はいつものメンバーとは違い、元SUPER BUTTER DOG、現100s、レキシの池ちゃん、そしてドラムには「赤い靴」というバンドや大橋トリオのサポートとして参加している神谷洵平さん、ベースはWATER WATER CAMELの須藤剛志さん。池ちゃんのスタイルはご存知のとおり、そしてベースの須藤さんは実直なベースで、神谷さんのドラムは、「顔で叩く!」という感じのくせのある叩き方なのに丁寧で柔らかな感じでおもしろいドラマーでした。いつものメンバーの渋いプレイとは違い、今回のメンバーの演奏は、なんだかとってもポップ。まさにJ-POPの演奏という感じで、新たな面が見れました。『湯気』や『くだらないの中に』のバンドバージョン、かっこ良かった。
池ちゃんと面白トークを挟みつつバンドタイムは終わり、再び弾き語りへ。「震災後、歌詞が今までとは違って伝わる」という話をしてからの『ブランコ』、そして最後に『老夫婦』で終了。

(弾き語り)

  • はじまりはいつも雨
  • 歌を歌うときは
  • キッチン
  • ばらばら

(バンド)

  • グー
  • 湯気
  • くせのうた
  • 穴を掘る
  • 茶碗
  • くだらないの中に

(弾き語り)

  • ブランコ
  • 老夫婦

続いてハンバートハンバート。実は、私はハンバートハンバートのことをほとんど知らない。CMの「アセロラ体操」歌ってる二人組、という知識しかなかったのですが…なるほど、無国籍で童話的でタイムレスな音楽だ。メンバーの男性がアコギからバイオリンからベースからころころと楽器を入れ替える。女性はハーモニカ片手に素敵な歌い声。男性も味のある声で歌う。あと途中でバンドが入ったのですが、そのドラムが坂田学でした。元Polaris坂田明の息子です。先程の神谷さんと逆で、とってもシャープだった。

ハンバートハンバートの演奏終了後、アンコールでは今日の出演者である3人が揃い、しばしトーク。「スペシャのホームページに載ってる動画で『ハンバートハンバートとはまだ会ったことない』って言ってたけど、会ったことあるよ!ハイドパークフェスティバルで!一緒に写真も撮った!」と突っ込まれ、失礼になってしまっていたリーダーが面白かったです。
と、この3人で演奏されるのは…たまの『さよなら人類』!お客さんも一緒に「着いたー!」を合唱して、このイベントは多幸感にあふれたまま終了しました。
ところでこの『さよなら人類』。ちょうど先日、ネットでこの歌詞についての解釈を記している書き込みを見たばかりだったので、なんだかいろんなことを考えてしまいました。なので、いつもより放射能濃度が高い雨に打たれながら聞く『さよなら人類』は格別な思いでした。


ちなみにこの日、日比谷公園ではオクトーバフェストというドイツビール祭りが開催されており、イベント終了後にそちらに寄ってビールで乾杯したのですが、ビールを買おうと出店の売り子さんに話しかけようとしたら一方的に「ハンバートハンバートどうでした!?あっちでライブやってたんでしょ!?知らなかったー!」と興奮気味に言われたのが印象的でした。