「Loser's Parade」

for さえない日々

下北沢インディーファンクラブ2011

Shimokitazawa Indie Fanclub 2015 - 下北沢のライブハウスを会場にしたライブハウスサーキット「下北沢インディーファンクラブ」9/21(月祝) 22(火祝) 2days開催!!
朝。雨が降り出しそうな空、念のため折りたたみ傘を用意し、水筒に水分補給と称した白ワインを忍ばせ、チケットを確認して出発。外に出ると若干の肌寒さがあり不安になったが、歩きまわったりライブ見てる間に暑くなるだろうと長袖は持っていかず、WUJA BIN BINのTシャツに半袖ボタンシャツ。そして当初は短パンで行こうとしていたが、そこはジーンズにしておいた。

下北沢。降り立ってさっそく北沢タウンホールに向かい、リストバンドを受け取る。開演までにはまだ余裕がある時間だったので近くのカフェで昼食を取りながらタイムテーブルを広げてもう一度確認。タウンホールの受付にてタイムテーブル兼会場マップをもらえたので場所も再確認。12:30より下北沢を駆け巡り始めた。


やけのはら、KIRIHITOの竹久圏、現クリプトシティの中尾憲太郎、TIALAの柿沼実などなどが終結するスーパーバンド。以前はイルリメやLess Than TV主催の谷口順も在籍(谷口さんは休んでいるだけだけど)。噂は以前から聞いていたけど見るのは初めて。どんなものかと恐る恐る見てみたら、思ってたよりもポップ!こんな無茶苦茶なメンバーだったらもっとカオティックな音になるんだろうと思っていたけど、やけのはらのサンプラー&ラップとモリカワアツシのパンキッシュボーカルがめくるめく交差して素直に盛り上がった。やけのはらのによるメンバー紹介でちゃんと谷口順の名前を挙げていたのにちょっとグッとくる。視覚的にはキーボードの女性がマスカラス的なマスクをつけてがんがん鍵盤弾きながら盛り上がっているのも面白い。パンクな音に竹久さんの独特なギターサウンドが乗るのも面白かった。一発目からテンションあがる!

  • MaNHATTAN@BASEMENTBAR


赤犬のドラマー濱本大輔(ダイ)、元The Miceteethの藤井学、次松大助によるインストバンド。こちらも噂は聞いていて動画を見て「あー、かっこいいなー」くらいの認識だったけど、ライブを見てぶっ飛んだ。すごいかっこいい!!タイトでシャープなドラムと間を埋めるキーボード、そしてメロディアスなシンセベース。ループするような曲でどんどん拍子が裏に入ったり表に戻ったり。リズム主体のバンドだけど、次松さんのシンセベースが入るおかげですごく聴きやすい。さすが元マイスティースのボーカル。歌心のあるベーシスト、タイトなドラム、弾きまくるキーボードの姿に、YMOを想起してしまった。それにしても…あのドラム、あんなにかっこいいけど赤犬の人なんだよな…いや、赤犬の楽器隊はみんなすごくレベルが高いのは知っていたのだけど、こんなに真逆な音楽性を提示してくるとは…。あまりに衝撃的だったので、7月に発売されるファーストアルバムが超先行という形で売っていたので思わず購入。

このCDもかなりヤバイ。

  • HINTO@GARDEN


スパルタローカルズ安部コウセイと伊東真一が組んだバンド、HINTO。MaNHATTANにトリコになっていたためにラスト2曲しか聞けなかったけど、それでも見ておいてよかった。まず足元に数々のエフェクターがあってスパルタローカルズよりもギターがより変態チックになっている。コウセイは相変わらずだけど楽しそう。また別の機会でちゃんとみたい。

  • ALOHA@BASEMENTBAR


野村卓史がバックにいるし、途中からハマケンが来るって言ってたんでついつい。結局ハマケンと野村氏がステージ上で会話することはなかったのだけど、ハマケンの言う事に笑っている姿を見れました。あ、ALOHAのことをちゃんと言わないと。以前はバンドだったけど現在は西尾大介によるソロプロジェクト。ライブでは管楽器など含め大所帯でポップな歌を披露。今まで激しい物を見てきたところに少しのんびりと、一息付ける時間でした。


T字路sを見に行こうと思ってたけど、外に出たらすでにGELLES目当ての列が出来ていたので結局そのままBASEMENTBARへ戻る。このバンドはトクマルシューゴが参加してるってくらいしか知識がなかったのですが、いやいや!すごい!クレイジー!一番まともなのがトクマルシューゴだった。こんなグランジな音なんだ!とビックリ。以前見たことがある友人曰く「前はもっとちゃんと演奏してたのに…」って言ってたけど、オレはこれくらい無茶苦茶な方が好み。MC一切しないけどマイクを極端に下げて絶叫するボーカルギター、何をしでかすかわからないキーボードの人に釘付けでした。

  • スカート@Daisybar


スカートは澤部渡さんのソロプロジェクト。世間一般的には「昆虫キッズでタンバリン叩いたりサックス吹いたりしてる太ったサポートの人」って認識なのでしょうが、オレにとっては「yes,mama ok?のファンで、ついにはサポートベーシストになっちゃったまだ23歳の人」だ。初めてこの人を認識したのが金剛地武志USTREAMで「CEO」再発の公開会議をしているときで、隣にいるこの年齢不詳の太った人は誰なんだろう?と、イエママファン歴が浅くてモグリなオレは疑問に思ったものでした。
その澤部さんが自身のプロジェクトで音源を出したのは昨年末。『ハル』という曲のPVを見て勝手に「こういう、全体的に暗い感じなんだろうか?」と思い込んでいたのだけど…少し遅れて会場に着くと中からは激しいポップ音楽が鳴り響く。「あれ?まだ前のバンドやってんのかな?」って思ってドアを開けると、そこにはギターを掻き鳴らして絶唱している澤部さんの姿が。えー!こんな感じなんだ!と驚いたまま釘付けに。なんだ!すごいかっこいい!あとチャクラの『まだ』という曲をカバーしていて、オレはそのバンドを知らなかったのだけど、一緒に見た友人がそのセンスに喜んでいました。1980年ころに活躍してた小川美潮さんのバンドなんですね…。というか、23歳なのにこんな曲をカバーしちゃう澤部さんは、やっぱりおかしい。なので信頼できる。というわけで会場では買えなかったので帰ってから「エス・オー・エス」をポチリ。

  • SOSITE@BASEMENTBAR


友人に「おすすめ!」とだけ言われて見てみたバンドが…大正解!メンバーにはなんとブッチャーズの小松さん!そして若い女の子がギターの2人組。いったいどんなことになるのだろうと思っていたら…SGを高めに持ってMCもボソボソとしか喋らない女の子が、ギターアンプ2台使いで轟音を奏で初めてひっくり返った。アルペジオや不協和音と、小松さんの完璧なドラム。あまりにも衝撃的だったので、これも帰ってから音源をポチリ。

また、この子(加倉ミサトさん)が、あんなどえらいギター弾くくせに、普段は普通の女の子。なんなんだこの人は!聞けば元々札幌で活動していたらしく、数年前に前任ドラマーが抜けて札幌の先輩である小松さんが加入したらしい。札幌音楽シーンやはり恐ろしい…。

  • WUJA BIN BIN@GARDEN


FEVERの星野源を待つ行列がとんでもないことになっているのをTwitterで確認して少し早めにGARDENへ。もう、ここは外せない、現在ハマり中のWUJA BIN BIN。今回が6回目のライブってことだそうなので、そのうち半分見てることになります。なにせこの日はWUJA BIN BINのTシャツ着用という気合の入れ方ですから、前列で大いに踊ってきました。9月には音源を出すそうなのでクソ楽しみです。相変わらず野村卓史氏が楽しそうに弾いてるのが見れて嬉しかったり。あと全体的に野村氏の鍵盤で始まる曲が多くて「信頼されてんだなー」なんて思ってみたり。


WUJAが終わってからはオオルタイチに行こうとしていたのですが、すでに入場規制がかかっていたようなので少し離れているERAへ向かうことに。FEVER?始めから行く気なんてなかったよ!だってあそこ、下北沢じゃなくて新代田じゃないか!(stimやおとぎ話、ピーズは見たかったけど、遠いので最初から候補に入れてませんでした)


恥ずかしながら今回が初めてのネハンベースのライブ。やっと見ることが出来ました。生で見ると、本当に計算された「間」だってのに気がつく。ドラムがノータム(フロアすらなし)だったり、2つのギターの拍子が複雑だったりと、スキマをつくようなライブでした。変拍子好きとしてはようやくライブを見ることができて満足。

  • フジロッ久(仮)@屋根裏


今回の出演者を調べていく中でどうしても気になったフジロッ久(仮)。Twitterでフォローしている人がたまにこの名前をつぶやいていて気になっていたのですが、なにせ出番が20時台。他にはユアソンやバンバンバザールECD+イリシットツボイ、ピーズ、昆虫キッズ、そしてSAKEROCKまでかぶりまくり。悩みに悩んで、「こういうイベントだからこそ、普段見ないものを見るべき!」と思い立って屋根裏へ。どうしても現場を見ておきたかったのですが、かつて銀杏BOYZと対バンをしているだけあり、想像通り凄いことになっていた。ステージには法被や大根?の被り物など色とりどり。演奏は荒く、パンキッシュで爆発していた。まさに事件の現場を見ているようだった。


なんとなくTwitterを見ていたら、「GARDEN、まだ入れます」という文字。あれ?SAKEROCKなんて絶対入場規制になってると思ってたのに、マジで?去年の地獄を見ているのでにわかに信じられなかったが、屋根裏を後にして一応GARDENへ向かってみると…すんなり入れてしまった。あとから聞くと、たまたまその瞬間だけ入れたらしく、10分後には入場規制がかかった。去年に続いて、SAKEROCK運がいいなぁオレ!もちろん中はパンパンなので入口付近、ちょうど星野リーダーの背中からハマケンが真正面に見える位置、田中名人はかすかに、伊藤名人はまったく見えない位置でした。
入ったときはちょうど『ホニャララ』演奏中で、その後も最近のロックモードなセットリストを次々に演奏していってました。印象に残ってるのは客席から「ハマケーン!いいともつまんなかったねー!」ってヤジを飛ばされてたことでしょうか。あれは笑った。「うるせぇ!いつの話してんだよ!」と、もう過去の話にしたい浜野さん。「芸能界は潰し合いだからね…」とのたまう浜野さんに「ハマケンは誰を潰したの?」って伊藤名人が振ると「オレが潰されたんだよ!」と逆ギレするも「ハマケンは潰されたとかじゃなくて、ただそこにいただけ!」と指摘するリーダー。ああ、このやりとりが安心する。ハマケンの芸能活動も、リーダーのソロ活動やリズム隊のミュージシャン活動も順調だけど、こうしてホームに戻ってわいわいやってるのがやっぱり一番いい。「去年のシェルターはすごかったねー」なんて話から、実はそのときの異常な盛り上がり(リーダーがスピーカーに足を掛けて「来いよ!」って煽っちゃったくらいの盛り上がりだった)に影響されて「MUDA」が出来たという話を聞いて納得。たしかに去年の、今にもモッシュが起きそうな盛り上がりは今までサケを見た中でも随一だった(2回目の途中から見ただけだったけど)。そんなメンバーにとっても思い出深いイベントのトリを、今年も見届けることができて良かった。


今年のインディーファンクラブは、出演者が去年の倍、会場も増え、タイムテーブルや会場も工夫されていたおかげで、去年のような「どこも入場制限かよ!」というフラストレーションを感じることなく楽しめた。まぁ、昨年の経験があったおかげで絶対混雑するようなところは避けていたというのもあったけど。そして今年も素晴らしい音楽を新たに発見できたのがとても満足だ。
角張社長は去年の入場制限ラッシュがトラウマとなってしまっていたようで今年の開催を悩んでいたそうだが、曽我部恵一の「続けたほうがいいよ!」という言葉に救われて開催を決めたそうだ。初年度のイベントはだいたい不具合が出るもの。だから今後はよくなるしかない!来年も新しい音楽に出会いたいので、また開催してください!