「Loser's Parade」

for さえない日々

MaNHATTAN「Far Trance」

下北沢インディーファンクラブで見て虜になったMaNHATTAN。とにかくかっこよかった。その日は「超先行」という形でニューアルバムが発売されていたためにもちろん購入。以来ずっと聴いてきたので、実際の発売日が先週だったってことに気が付かなかったので改めて。
生演奏のクラブミュージック、と形容すればいいのかクラブに行かないので分からないのですが、ジャンルはそのような感じ。特にドラムのビートが強い上に変拍子まで入ってきちゃって、更に時折入るメロディアスな展開に撃ちぬかれた。そして今回収録されている「Giant Stomp」のオオルタイチRemixが最高にかっこいい!元曲も収録されているのですが、土着的なリズムとサウンドが電子音にまみれたシャーマンの歌に変化しちゃった!という変化が楽しめます。

Far Trance
Far Trance
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このアルバムにはブックレットが付いており、メンバーとレーベルオーナーの長崎さんが対談しているのですが、その中に出てきた話題が興味深かった。まず、長崎さんの前置き文章にて。

この3人からなるMaNHATTANをリリースできることは私にとって極めて愉快なことなのです。その巡り会わせを運んできてくれたのが、無二の友である濱本大輔と伊藤大地の関係であり、レーベルアーティストであるグッドラックヘイワの存在です。

MaNHATTANとグッドラックヘイワには「鍵盤とドラムのインスト」という共通点があります。今回の話題でもグッドラックヘイワとの比較が度々出てきます。これは、当初藤井・濱本の2人体制だったMaNHATTANに、シンセベースとして次松が加入したという流れから。

長崎:グッドラックヘイワでもベースが無いところをサウンド的にどうやって攻略するかっていうのは良く話ししてた。というか挑戦してたという方が正しいかな。グッドラックヘイワは曲も最高だし、ライブもずば抜けているけど、野外フェスみたいな開放的な大きな空間を意識したときベースが無い分不利になる印象はあったすね。もちろんそれはフェスによって様々ではあるんだけど。
濱本:ベースがおらないと、踊りにくいですからね。
長崎:そうそう。野外でベースがいないとどうしても出音のパンチが弱く感じられてしまう。だからマンハッタンの音を最初に聴いた時にベースがいるっていうのが、俺の中でひとつのポイントだったんですよ。

特に『THUNDER』では「麒麟坊」っていうほとんど低音のない曲もありましたが、やはり挑戦していたのですね。
そもそもこのMaNHATTANを結成したきっかけも、身軽に動けるグループを作りたいと思っていた濱本さんがグッドラックヘイワを見て「この方法ならできる」と感じたから、なんてエピソードもあります。クラブミュージックなイメージのMaNHATTANとごった煮の民族音楽なイメージのグッドラックヘイワ。曲のスタイルは違えども、やはりスタンスは似ている。それも惹かれる要因の一つなのかもしれない。

ちなみにこのアルバムのジャケットデザインは大原大次郎さん。フジロックに行かれる方は、是非とも見ていただきたい。
MaNHATTAN×大原大次郎(デザイナー)対談 - インタビュー : CINRA.NET
フジロック出演のMaNHATTANって誰だ?|ローチケHMVニュース