「Loser's Parade」

for さえない日々

WORLD HAPPINESS 2011

Twitterの弊害に、「夏フェスの実況が流れてきてとっても羨ましくなってしまう」というのがあると思うのです。Twitterを使用するまでは、例えばフジロックの様子は「FUJIROCK EXPRESS」などの速報サイトを見て満足していたわけです。しかしTwitterの実況は参加者目線のため、すごく共感できてしまうのです。開催前のソワソワ感とか、開催中の熱狂とか、開催後の充実感とか。というわけで、今年は夏フェスには行かないと決めていたのに、たまらずチケットを買ってしまいました、「WORLD HAPPINESS」の。だってYMOが見たかったんだもん!


当日。まるでピクニックに出かけるか如くお酒の用意、弁当の用意をして出発。ゆるゆると参加のためにコトリンゴから見はじめる。Cブロックということでステージはほとんど見えないからまったりと…なんて言えないくらいの日差し。そんな中、コトリンゴは『恋とマシンガン』カバーなどを村田シゲ、神谷洵平のスリーピースで。ちゃんと聞いたの初めてだったけど、リズム隊の影響もあるのか、こんなに骨太な音だとは思ってなかった。思わぬ収穫です。

続くFennesz+Sakamotoは高田漣に変わって今年のYMOのサポートについているクリスチャン・フェネスと教授のユニット。炎天下の会場とは真逆の冷ややかな演奏。続いて高野寛は初っ端から『ベステンダンク』を持ってきて途中に『君に、胸キュン。』カバーを入れてくる安定力抜群のサービスセットリスト。ちなみにメインステージとサブステージ、代わる代わるで演奏が始まるので転換時間なくスムーズに進行していくのだけど、Cブロック最後方だったためにステージが違うのはほとんど分からず、映像は大きなビジョンが頼り。

そしてスチャダラパー。初心者向けセットリストのためか、ド頭から『今夜はブギーバック』を仕掛ける。ここで今まで我々含め座って見ていたCブロック集団が思わず立ち上がる。続き「ライツカメラアクション」と来てここで『想定内!想定外!風評被害!』のフレーズが印象的な『MURDER MUZIK』。チクッと毒っ気を出してきたところで最近CMでも起用されているパーティーチューン『GET UP AND DANCE』。ここで「怖くないよ〜」的なアプローチをして油断させておきながら「リアルが歪んだ〜」と『Shadows Of The Empire』卓球Remix。そして話題の『かえせ!地球を 2011』へ。この曲、第五福竜丸が展示されている夢の島で歌われることがものすごく大きな意味を持っている。60年くらい前に水爆実験で被曝した船の残骸を傍らに置いての「汚れちまった海〜\低濃度!/汚れちまった空〜\高濃度!/」ですから。レベルが7つ上がるファンファーレと共に例のお辞儀。さすが!最後にはサマーアンセム『サマージャム』で締め。鉄板すぎます。

続くKIMONOS。実はちゃんと聴いたことなかったんですけど、結構ストレートな感じになんですね。そしてLITTLE CREATURESではあんなに晴れてたのにゲリラ豪雨が。雨の中、右往左往していたためにじっくりと見ることは出来ませんでしたが、相変わらずな鉄壁さ。そして唯一の弾き語りアーティストとして星野源。雨が降っているということでいきなりASKAの『はじまりはいつも雨』をちょっと披露して一気に客をつかむ。そこから『歌を歌うときは』『キッチン』『スーダラ節』『老夫婦』、そして『くだらないの中に』へと。小雨の降る中、しんみりと聴かせていましたよ。しかし星野氏はこのライブ後にまさか清水ミチコ邸に向かったとは…。

続くTHE BEATNIKSは高橋幸宏鈴木慶一のユニット。この間は主に食事タイムとして屋台村に出かけていたのですが、バックがpupa(原田知世抜き)+GREAT3(片寄明人抜き)だったらしい。そんな後に最もこのイベントにそぐわない、でも一番気になっていた神聖かまってちゃん。セッティング中になぜかマネージャー劔さんがビジョンに大写しになって面白かったりしたのですが、肝心の演奏は…かなりよかった!MCはやはりグダった感じになるのは仕方ないとしても、特に『夜空の虫とどこまでも』ではYMO世代の方々に色ものバンドって括りには留まらないものを感じ取っていただけたかと思います。

サカナクションには本当に驚かされた。だって、いきなりYMO『東風』のカバーとか!卑怯すぎる!大笑いしてしまいました。んでもって、実は初めてサカナクションのライブを見たわけなのですが、お…ちょっといいじゃないか…。悔しいけどいいじゃないか(何に対して悔しいのかわかりませんが)…。こりゃ確かに人気出るわなー。そしてライブを生で見たかったsalyu×salyu。結局ビジョンでしか見れなかったけど、ド頭にCMソングになっている『話したいあなたと』。『ただのともだち』でコーラスと手拍子の面白さに盛り上がり、『Sailing Days』で壮大さに圧倒され、『奴隷』で盛り上げられ、『続きを』ではピアニカの素朴さと坂本慎太郎の歌詞の凄さに感動。イヤ本当、『続きを』は、震災前にこんな歌詞書いちゃう坂本慎太郎が凄い。物の本質を捉えている。

そしてYUKIちゃんですよ。『JOY』のイントロに合わせて「トキオー!」ってやっちゃうとか…!もう13年前の高校生の時からYUKIがタイプなんですけど、なんでこの人は劣化しないんでしょうか。途中、つたないギターまで始めちゃって…40歳直前なのに!声がかなり不安定で「あれ?」って思ったけども。
テイ・トウワのDJが終わると、ついに大トリ、YMO。いやー!よかった!『Firecracker』とか!『Behind The Mask』とか!!『体操』とか『千のナイフ』とか『Cosmic Surfin』からの『Absolute Ego Dance』とか!!!しかもアンコールで『東風』とか!!!!!筆舌に尽くしがたいよ、もう。
思えばYMOを知ったのは電気のオールナイトニッポンまりんがカルトQに出るっていうんで見たのが始まり。ちょうどそのあたりに再生して「テクノドン」が出たんで買ったのが中1くらい。後に音楽を知っていく課程で細野さんがはっぴいえんどのメンバーでユキヒロさんがサディスティック・ミカ・バンドのメンバーだったのを知ってビックリしたり。なんだかんだでずっと根底にはYMO好きがあったのですが、この日がライブ初見。とにかく「やっと生で見れた!!」というだけで満足。感動。そして泣いた。




今年、唯一の夏フェスでした。乱暴に書いちゃったけど、記憶と記録のために。