「Loser's Parade」

for さえない日々

田中名人が抜けることについて渋谷AX直前に

「songs of instrumental」発売時に田中名人が書いたブログがすごく印象に残っている。

サケロック NEW アルバム SONGS OF INSTURMENTAL (スペル待ちがってそう…)
今更、めでたく言うのもなんですが、めでたく発売しました。
色々な人達に、聞いてもらい、ありがたいお言葉を、頂きました。
ありがたいです。
沢山の人が聞いてくれる事を、願います。

ですが、沢山の人に聞いて欲しい為のプロモーションが
良さの刷り込みに、どうかサケロックはなってほしくないなぁ、と思います。

色々なところで、頂くありがたいお言葉も、目にするかもしれませんが、それによって画一的に見られてしまうようでは、なんだか、このよく分からない音楽業界の波に乗っただけの様な気がして、悲しいのです。

良いと思う物を作る人達が、同じ様に良いねと言い合って、広まる話なんて、たいした事ないです。


そんな想いを個人的にもてあそんでいるなりに、僕なりに、込もったアルバム。
どうか、多くの人が、多くの想いと重なりますように。
http://sakerock.com/room/tanaka/log/eid10.html

こんな風に冷静な目線を常に持ち、ピシッとしめるのが田中名人の役割だと思っていた。みんなバラバラの個性の集まりなんだけど、田中名人はそういう人。SAKEROCKは田中名人がいるからこそ、いろいろ流されずにSAKEROCKという地位を築き上げたのだと思った。
田中名人の文章は誰よりも個性的で、今回の脱退コメントも独特な表現が使用されている。文筆業もこなす星野リーダーとは別のものを蓄えてきたような違う文章で、また違った文才を持っている。イメージは「天然」「野生」の人。それは当然自身の曲にも現れていて、星野曲や浜野曲のような人懐っこさとは違い、どこか異国の匂いがしてちょっと大人で、でも時折子供のようにはしゃいでいていつの間にか仲良くなっているような曲たちという印象。その違いもSAKEROCKの持ち味だった。
だからこそ、4人の中でもし脱退するという人がいるのならば田中馨なんだろうな、という予感も当然あった。今回の脱退の報告を受けて「ええ!?」というのと同時に、「やっぱりかぁ」という少しの納得もあった。だからこそ不安になる。絶妙なバランスを保っていたSAKEROCKだっただけに、今後のことが不安になって仕方がない。


しかし、すでに開催された名古屋、大阪のライブへ行かれた方の言葉をTwitterで読んでいたら、そんなことは杞憂であり、「余計なお世話だバカヤロウ!」だったのだと思った。物語は立ち止まることなく進んでいく。そして本日12月26日。渋谷AXで最後の4人を見てきます。