「Loser's Parade」

for さえない日々

ペンギンプルペイルパイルズ#12「ゆらめき」

SAKEROCKが舞台音楽を担当していることで有名な劇団ユニット「ペンギンプルペイルパイルズ」。今回、場所が吉祥寺ということもあり、当日券で入ってついに観ることが出来ました。ペンギンの知識というのは、主催の倉持裕氏が岸田國士戯曲賞を受賞した、というものしかありませんでした。だから倉持さんの色、思考、空気が全く分からぬままの観劇だったんですけど…いやぁ、なんだかいろいろと迷路に迷わされました。普通に見せかけて、微妙にズレた、複雑なお話でした。要所要所でユニークな言い回しが入ってきて、そこは安心して笑っていられるのですが、追いかけていくごとにどんどん分からなくなっていくストーリー。おかげで最後の最後でなんとなく「あ、これはみんながちょっとずつ狂ってたのか…」と理解。妄想と現実が入り乱れていて、真実が何なのかよく分からず、最初は一番狂っていると思っていた人物(朝比奈)が、実は一番冷静な人物であったなど、とても入り乱れたつくりでした。いやはや、久しぶりに難解な物語を見ました。

ペンギンプルペイルパイルズ#12「ゆらめき」@吉祥寺シアター
作・演出/倉持裕
出演/小林高鹿、ぼくもとさきこ、玉置孝匡、内田慈、近藤智行吉川純広、坂井真紀、戸田昌宏
音楽/SAKEROCK


さて、ここで語るは、その音楽。もちろん今回も音楽はSAKEROCK。芝居は見たことなかったものの、音楽はサントラで聴いていたのでその方向性は知っていましたが、やはり私はペンギンの芝居用に作られたサケの音楽が好きです。なんだか無国籍な感じで、メロディもトロンボーンに捕らわれていない場合もあるし、また宅録のようなひねくれたエフェクトがかかってるし。不思議な世界観がよかった。特に江尻が暴れだしたときの音楽がかっこよかった。


今回の「ゆらめき」サウンドトラック。今まで同様、限定発売されるようです。この夏、リーダーを中心に忙しかったであろうサケさんたちは、いったいいつの間にレコーディングしていたのだ、と思ってしまうのですが…。ちなみに発売は11月6日予定。PPPPのサイト、もしくはカクバリズムのサイトにて購入方法の告知が随時出るそうです。値段は1,000円とお値打ち価格。多分一般発売はされないと思うので、PPPPを観に行くか、通販のみの取り扱いになると思います。ちなみに過去のPPPPのサントラベストは一般流通しています。個人的にはすごく好きなCDです。そういやこれでサケは今年だけで3作品(4月の「黄色い涙」9月の「おじいさん先生」)もサントラを手がけてるのか…。