「Loser's Parade」

for さえない日々

ダイナマイト関西2008〜オープントーナメント大会〜ルミネtheよしもと予選(2)

予選2日目。今回は開場前にせきしろさんをお見かけしたので、まさかせきしろさんが出場するのか?と思ってましたが、結局は単に観客として見に来ていたようで。しかし、今回の出場者は…ビックリするくらいにツワモノ揃いでした。おいおい、これ最激戦区なんじゃないか?


優勝候補がビッシリ。「このメンツで番組が作れる(RG以外)」という木村館長の言葉通り、なんて贅沢な予選なんだ!と、開始前から若干テンションがあがってしまいました。声援も昨日とボリュームの大きさが違ったし。徳井、コバの登場のときなんて凄まじかった。しかしそんな中でもRG(実は大学が同じ)の立ち振る舞いは、それはそれで彼の役割を果たしていました。さて、この贅沢な予選。まさかこの後、ものすごいドラマが生まれるなんてこの時点で誰が予想したでしょうか。正直、感動して若干泣きそうになりました。それくらいに、この予選だけでもDVDが出せる(そして売れる!)と思ってしまうくらいに大満足の試合でした。

<第1回戦>
○岩尾−×大吉
○山里−×RG
○ネゴ−×友近
○徳井−×竹森

大吉に大喜利が得意な印象がなかったんですけど、全くそんなことはなく、むしろ言葉のチョイス、ネタの方向性が結構なマニアックでおもしろかった。しかし岩尾の力がそれよりも勝っていたんですよねー。「甲子園で負けたチームは砂を持って帰るが、甲子園で勝ったチームは何をする?」に対しての「持ち帰らないが砂には興味を示す」とか。でも「宇宙の一番端っこには何がある?」というお題に対しての大吉の「相原勇の曙への想い」というのがOMOROでした。ひとつ飛ばしてネゴ・友近対決ですが、友近は完全におばさんキャラでしたね。お茶の間目線。回答の仕方で「あ、得意じゃないな…」って思ってしまいました。みんなのようなピリピリした緊張感はなく、ひとりだけ素人参加者のような浮きっぷり。対して根来川は、「アホ高校の一番多い遅刻の理由は?」のお題に対して「犬を触ってたから」という解答が好きでした。あとイラスト描けるのは強いっすね。そして優勝候補の徳井は「静」、竹森は「動」の対決で、竹森が過剰なまでに力んでいる姿が印象的でした。黙々とゆっくり回答していく徳井と、時々声を上げながら自問自答していく竹森。この対比はなんか面白かった。そして、今回の主役と言っていい人物、山里亮太についてです。この1回戦の時点では「山里vsRG」という対決に、コバの言葉「なかなかのどうでも良い試合」という印象が、そこにいた誰もが感じていたものだったのですが、その思いを良い意味で裏切ったこの対決。個人的に山里の言葉のチョイスは好きだったので、そのポテンシャルの片鱗が見え隠れし(お題「超貧乏な家は何がどうなっている?」→「ダンボールに無限の可能性を感じている」)、更にRGは出で立ちやキャラとは相反し、案外真面目に回答していたのです。結果的にRGの自爆で勝負は付いたのですが、最初はブーイングが起こるほどだった客が「あれ?山里、なかなかやる?」と気づき始めたのでした。そして、ドラマが始まったのです。

<第2回戦>
○岩尾−×大上
○山里−×後藤
○コバ−×ネゴ
○清人−×徳井

大上は「志村、後ろ!より危機的状況で言うことは?」というお題に「清原!ひざ!桑田!ひじ!」という答えを出し、あ、うまいな、という印象。でも岩尾の前に崩れる。コバは圧巻。剛速球を投げ続ける、かと思えば落差の激しい変化球も投げてくる。まさに敵なし。と、ここで新たな発見。それはバッドボーイズ清人の不気味な存在。清人vs徳井という、「静」対「静」の対決だったんですが、清人の怖さったらなかった。「宇宙人がミステリーサークルに込めた本当の意味とは?」→「このアートでメシ食っていけんかなぁ」「あなたの気をただ、ただ引きたくて…」。一番ビックリしたのが、「成人式に暴れる若者に対抗して敬老の日に老人がしたことは?」というお題に対しての「市長に手作りの押し花を押し付ける」。これ、イラストでの回答だったんですけど、そのイラストがやたらにウマい。発想力に加え、イラストという武器まで隠していた(知られてなかっただけ?)清人。さらに「モチを詰まらせた仲間の仇ー!と暴れる」などを颯爽と答え、徳井に勝ってしまいました。
さて、ここでドラマの第2話。山里vs後藤戦なのですが、正直、まあここで後藤には負けるのかな、なんて思ってましたが、ここで山里のリミッターが解除。「『TSUTAYA』でビデオを1000日延滞するとどうなる?」の問いに「800日目に感じた恐怖がリアルになってくる」「黄色と青を見ると震えが止まらなくなる」「TATUYAでさえも敵に見えてくる」「よし、1500日いっちゃう?というボケに家族が笑わなくなる」という、怒涛のラッシュ。この勢い、本当にスゴかったです。一番笑いましたし、一番会場が沸いたかもしれません。しかし後藤も負けじと応戦し、あっという間に1対1の大接戦。そして、なんと山里のKO勝ち。始めは誰からも期待されず、当て馬扱いをされていた山里でしたが、徐々に声援が大きくなってきたのです。ちなみに山ちゃん、実は本日のRG戦がダイナマイト関西初勝利戦だったのです。

<準決勝>
○山里−×岩尾
○コバ−×清人

そして、この準決勝が本当にスゴかった。両試合とも接戦。山里vs岩尾戦では「記録が伸びると大好評のスピード社の水着。しかしオリンピックではどの選手も着用しなかった。何故?」→「ミズノの社長が話をしてる相手があきらかに殺し屋だった」「早く泳ぐことに一体何の意味があるのか…という考え方が選手に蔓延した」という会心の一撃連発。後藤の仇とばかりに岩尾も応戦し、結果サドンデスにもつれ込む。「『人にやさしい定食』が食堂に新しく登場しました。何が入っている?」というお題に、3分間の余裕があるにもかかわらず20秒くらいで手を上げた山里が「ビギンのソウルスピリッツ」と答え、勝利。このときにはすでに、客の大半を味方につけていました。THE いじめられっこの逆襲。準決勝第2戦のコバvs清人戦は、こちらも白熱。「『鏡よ鏡、鏡さん。世界で一番美しいものは何?』で返ってきた答えとは?」のお題に清人が「おまえ、からみづらいって言われん?」「アグネスチャン?違うか?(←これは言い方が最高にマッチしてた)」といったクリティカルヒット連発。それに対して負けじとコバも「地元愛」という速球を投げたかと思えば「『願書ちゃんと書いとかなあかんで』と注意する母の愛(大人になればわかるよ)」という変化球も投げ、変幻自在っぷりを発揮。ものすごい打ち合いの末、「ホ〜ムラン!!のテンションで一言」のお題にコバの「アフリカでは5秒に1度 子〜供たちが!」が炸裂し、清人を辛くも撃退。清人、昨日出てたら優勝してたんじゃないか?という、なんとも惜しい気持ち。
そしてついに決勝。誰もが予想しなかった「山里vsケンコバ」という戦い。そして、その戦いに観客は6:4で山ちゃん寄りだったと感じた。弱かった主人公が、どんどん勝ち進み、ついに王者に挑むという、まさに漫画のような展開に、自分含めた客は興奮してました。山里も興奮気味で「今日はみんなのmixiにあしあとをつけまくろうと思います!」と発言。一方コバはいつもどおり。そんな中で、「これはもしやドンデン返しがあるか!?」という異様な雰囲気の中で繰り広げられました。そしてまた、両者とも一歩も引かず。どんどん山ちゃんの書くスピードが上がっていく(戦いの中で成長していく)姿には感動すら覚えました。スラムダンクかよ、この展開。ようやくの初勝利から一気に決勝て。この戦いで印象に残ったのは

  • ことあるごとに「本日は○○のため休業します」の貼り紙を出すダメ中華料理店。今日は何のために休業?
    • 山里「イタリアへの憧れが強い日のため」
    • 山里「『僕魔法使いなの』と言い張る息子の最後の説得のため」
    • コバ「ア〜エンヤコラ♪ 白鶴、〇(まる)!のため」
  • 「先生、バナナはおやつに入りますか?」に飽きた小学生が言ったことは?
    • 山里「バナナに命をかけた男の話を知ってますか?」
    • 山里「バナナをベースにしたカクテルはOLの心をつかみますか?」
    • コバ「太陽とシスコムーン黒歴史に入るんですか?」

これ以上にも名回答が続々と挙がっていましたが、さすが決勝なのか、ポイントに繋がらず厳しい判定。しかし、大接戦の末、コバが優勝したのでした。

<決勝>
○コバ−×山里

今日の山ちゃん、昨日の吉村とは比べ物にならないくらいに風が吹いていました。しかし、そんな風をも跳ね返してしまうコバはスゴかった。元々、自分の中では山ちゃんというのは「言葉選びが素晴らしいなー」と思っていましたし、実際「落合記念館ゲーム」のMCでのツッコミと言ったら目を見張るものがありました。しかしそれはあくまでツッコミでの話。大喜利ではボケ側に回らなくてはいけないので、それは勝手が違ってくる。前のままだと「なんだか分かりにくい、オタクな回答だなー」という“一般受けしない”レッテルが貼られてしまっていたような気がしたのですが、それを今回の戦いの中でチューニングしてきたのか、会心の一撃連発。いいドラマを見させていただきました。この日の山里亮太は、輝いていました。


ということで、今年のダイナマイト関西。今までの優勝経験者もシード権がなく、みんな予選から参加するから、予選が見れる人は行ったほうが吉です。今回のように、予選の中にドラマが生まれる可能性が極めて高いです。オレはさっそく次のルミネ開催のチケットを探し回ってます。やっぱこのイベント、おもしろい!
ダイナマイト関西



おまけ:今日の印象に残った出囃子。ケンドーコバヤシ「マーマレードボーイ」。