「Loser's Parade」

for さえない日々

女教師は二度抱かれた@シアターコクーン

いろいろななにかを手にいれるうちに、いろいろななにかを見失っていたように思う。
大きな公演をやるたびに、ボクは。
演劇を始めた頃、確かに手にしていたなにかが、知らず知らずのうちに手から滑り落ちていたんじゃなかろうか。
それを小さな劇場でとりもどすのは簡単だ。
コクーンという渋谷の大劇場で、東急というバックボーンもふまえつつ、「演劇」を描く演劇で、ボクは失ったなにかを手にとり直したいと思っている。
まばゆいばかりの出演者を前にボクの考えなど、うっとおしいかもしれませんが、今、書け、と言われて、書くことがこれしかないので、すいません。
それじゃあ、劇を始めます。よろしくお願いいたします。

松尾スズキ

http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/08_onnakyoushi/index.html

ということで、いろんな意味で「松尾ワールド」でした。休憩含めて3時間半くらいの長丁場ながら、全然そんなことが気にならなかったデス。そんなに演劇に親しみがない自分ですが、見たことがある数少ない記憶の中でも、松尾さんの作品ってどうしても「難解」なイメージがあったのです。なんか「よくわからない生物が出てくる」とか「少なくとも舞台は日本ではない」とか。でも、今回は非常にわかりやすかった。これが、従来のファンに取っていいことなのかは知りませんが、少なくとも自分にとっては理解しやすく、そして面白かった。それにしても演劇や映画の感想って、非常に書きにくい。なので箇条書き。まだまだ上演中ですしね。

  • まず「市川染五郎=演劇界の風雲児と呼ばれる小劇団の演出家」、「阿部サダヲさん=歌舞伎界の異端児」という配役は、もうそれだけで笑える。
  • 「出身=九州」「小劇団演出」などなど、天久は松尾さんを想起せざるを得ない。
  • 大竹しのぶは化け物か。
  • 市川染五郎は意外とお腹がぽっちゃり。
  • 阿部サダヲはなんというか、想定内。「中村屋」です。
  • とにもかくにも平岩紙嬢がエロすぎる。
  • 市川実和子に向かって「深海魚!」はスゴいしヒドい。
  • カヲルさ…いや、皆川さんのキラーフレーズは「もしも行事がレミオロメンだったら」。
  • 新堀ギター(笑)に通っているDV男、星野源市川実和子とのデュエットは絶品。というか、「そりゃ倒れるだろう…」ってくらいの曲数を作曲してました。
  • 生バンドの中には田中馨。オカマだったり手首切ったり歌ったり踊ったりしている星野リーダーのバックにはミュージシャン田中名人。なんか不思議だ。
  • どうでもいいが、ラジオで言ってた「ピラチカ」って、この芝居の台詞から引用していたのか。
  • あ、オレ、演技してる松尾さんを見るの初めてだった。喋ったり歌ったり踊ったりしてるところは見たことあるのに。
  • 松尾さんは直接ストーリーと関係ないのに、スゴかった。あの動きはすごいなぁ。

なんかこれくらいのチンケなことしか考えられません。ストーリーについての感想なんて書けないですね、なんか。ウマイへたもよく分からないし。でも大竹しのぶがスゴイと言われているのが、こんな自分でも分かった。ありゃすごいわ。つい先日、元夫とテレビで漫才のようなやりとりを繰り広げていた方とは思えません。世の中は知らないことだらけ。