「Loser's Parade」

for さえない日々

大人計画「母を逃がす」@下北沢・本多劇場

大人計画の劇団員しか出ない公演って、初めて見たかもしれない。これが本公演だとしたら、初めて大人計画の本公演を見に行ったことになる。
再演「母を逃がす」。初演は見たことないし、どんな話なのかも知らないまま見に行きましたが、田舎特有の閉塞感が増幅された話で、見ていて非常に疲れた。ザラっとした感じと言うべきか。だからと言って全編暗い話かというとそうでもなく、随所にお笑い要素ももちろんあり。阿部サダヲ宮藤官九郎コンビのやりとりは鉄板。そしてなにより、平岩紙が無性に色っぽくて素晴らしかった。濃いメイクが似合う似合う。もちろん荒川良々のギリギリな演技も、顔田顔彦の過剰さも、宮崎吐夢のエキセントリックさも、皆川猿時の静かな乱暴さも、杉村蝉之介の落ち着きっぷりも、近藤公園のワイルドさも、少路勇介の女装も、池津祥子の肝っ玉母ちゃんっぷりも、宍戸美和公の中性っぷりも、猫背椿のずうずうしさも、田村たがめの子供っぷりも、そしてなにより、松尾スズキのふらっと出てきてすべてを掻っ攫う姿も、全て印象的。みんながみんなキャラが立っていて影の薄い人はいなかった。だからこそ強烈というか。
まだ公演は続いているので詳細は書きませんが、最後の最後まで目が離せません。あのちゃぶ台返しというかなんというか…。