「Loser's Parade」

for さえない日々

中野成樹+フランケンズ「スピードの中身」@所沢航空発祥記念館

「誤意訳」と呼ばれる演劇を見た。
NakaFra | 一般社団法人なかふら/中野成樹+フランケンズ
基本は翻訳劇であるのだが、そこに現代的な解釈で意訳を行い、原作とはまた違ったものが出来あがるというもの、らしい。そんな方式を取っている劇団があると友人より聞き、誘ってもらった。今回の公演場所は、所沢航空公演にの中にある飛行機の博物館。ロケーションとしては一風不思議ながらも、パイロットが登場する劇のため、なんだか想像力をかきたてる。しかし、博物館なので当然カーテンもないし、音響も勝手が違う。リハだって博物館が閉館している間しかできない。そのため、客が入っている間も演出家の細かな指示を受けつつ、リハは続いていた。ちょっとしたスペースに用意された席に座りつつも、舞台となるであろう会議室のようなセットでは最終調整を客前で行っている。入場と同時に芝居が始まっていたのかと思った。また、この反響が予定外だったのか、公演時間も多少伸びることとなった。
今回の環境がとても特殊ではあったのでそこばかり目につきましたが、内容は、まるで「ツッコミなしで、延々ボケ続けられる」物語のようでした。シチュエーションも、この人達がどういう人達なのかも、どんな目にあっているのかも、そもそもこの会合は何を目的としているのかも、ぼんやりとしたまま進められて行く。中心となる人は、怒涛の「ボケ合戦」に戸惑いながら、「ツッコミを入れられないまま」飲み込まれて行く。この状況になかなか見ていてなかなか理解が追いつかなかったのですが、後半、そして最終場面でカタルシス。面白かったです。また、これは元々『折り合うことについてのバーデンでの教育劇』という原作の翻訳劇であるため、この原作がいったいどんな内容だったのかも気になった。タイトルからしてわかるとおり、シチュエーションから何から変わっているのでしょう。