「Loser's Parade」

for さえない日々

ザンジバルナイトin野音

ザンジバルナイトとは…、『ジャンルや形式にとらわれず、毎回様々なゲストを迎えて定期的に行われているLIVEイベントです。』とここに書いてあります。ちなみに「ザンジバル」とは、アフリカ、タンザニアの東の沖に浮かぶ島嶼群の名前のことで、白いさんご礁とヨーロッパやアラブの石造建築遺跡が多数残り、かつては奴隷貿易象牙貿易の拠点でもあった場所で、2000年には世界遺産文化遺産)に登録されたそうで、フレディ・マーキュリーの出身地である…とWikipediaに載ってました。それがこのイベントとどれだけ関係があるのかは、無知はワタシには分かりませんが、まぁ、要はリリー・フランキーTOKYO MOOD PUNKS)主催イベントという解釈でいいのでしょう。いいのか?
前置きが長くなりました。というわけで微妙な天気の中、行ってきました。野音でのザンジバルナイト。いったいどんなものなのかと思っていたのですが、なんともまぁ、客層がとっても広かったです。ワタシのような「モテない系」もいれば、子連れで参加している人や、「こんなとこよりクラブ行きてー!」と叫んでいるモテ系の方までいらっしゃいました。…なんであの人いたんだろう。

  • 9miles

前回のザンジバルナイトにも出演した、リリーさんが社長の会社の音楽事業部「Melody fair」(「週刊真木よう子」の音楽を担当してますね)の所属アーティスト。レゲエです。季節は少々早いが、夏の野外で聞いたら気持ちいいのかも。

転換中に出演者リストには載っていなかった芸人が登場。あ!ウクレレえいじだ!やたらとリリーさんやみうらじゅんさんが押してる、猫ひろし繋がりだからか銀杏峯田と仲がいい、かつて「雷波少年」に出演していたウクレレえいじだ!「マニアックものまね」、おもしろかった。志村喬押し!会場の3000人を爆笑させてました。そして、そろそろマニアックネタが飽きられてきたかなぁ、と思い出したときに転換終了。本人、いい思い出になったそうです

1曲しか準備してこなかった二人は、駄話を続けていました。山口に「よく受けましたね、トップランナーのオファー。で、どうなんですか?正直なところ」と突っ込まれてしどろもどろになっていたのが面白かった。そしてなんとなく歌い始めた曲は、かつて箭内さんが情熱大陸で特集された際に放送された「福島には帰らない」を披露。切ないなぁ。

全体的にゆる〜い感じでやってきたのに、こんなタイミングで我等が浜野隊長が登場。一気に「台無し」にしてくれました。正直ですね、こっちはドキドキものだったのです。こんな“ドアウェイ”の中、あんな“悪ふざけ”をかましてしまって、果たして3000人の観客は受け入れてくれるのか?と、老婆心の塊(by嬉野雅道from水曜どうでしょう)になっていたのですが…受け入れてくれましたね。しかも前方では黄色い声が上がるという始末(それはそれでどうなんだと思うが)。なんというか、完全に親の目線でした。でも、単純に、3000人相手に、一人で15分くらい持たせるって、スゴいと思います。例え内容はヒドくても。

そしてそんなヒドい有様を途中で止めに入ったリーダー。あーもー、完全に一連の流れが完成されてますね。お二人、なんてコンビ名ですか?と問いかけたくなる。星野リーダーはそのまま浜野さんをステージ下手側に置いておき、弾き語りに併せて踊れと指令。突然の指令にキョドりながらも一生懸命踊る浜野さん。おかげで、せっかく今回初めて星野弾き語りを見れたってのに、全然集中できなかった。これはあれですか、星野リーダーが空気を読んだんでしょうか。盛り上がりたい客席に対して弾き語りをしてトーンダウンさせてしまうのを察知したのでしょうか。それともただ単に寂しかっただけか?いずれにせよ、「見た目はOMORO!で音楽は泣ける」という珍妙な空間ができあがってしまいました。しかし、これって、まさにSAKEROCKで作り上げている空気だ。…若干今回は音楽のほうが負けてしまっていたような気もするが。ちなみに曲は「ばらばら」「たいやき」、そして浜野を退場させ入れ替わりで中納良恵(EGO-WRAPPIN')が登場し、「スーダラ節」を披露(「All Things Must Pass」はやらなかった)。「スーダラ節」では、よっちゃんの声量に影響されたのか、いつものしんみり型ではなく、どんどん歌い上げるようになっていったのが印象的。

いや、もう、圧倒された。とにかく声量、というか声のパワーがスゴい。「ソロでは結婚式くらいでしかやらない」といいつつ、自分の声をサンプラー(デジタルディレイ?)でループさせて声だけで曲が進んでいく曲をぶちまけ、一気に観客の注目を惹いていきました。正直な感想として、さっきの二人が、茶番に見えるくらい。

永積タカシ曽我大穂ブルースハープ・フルート)+熊谷和徳(タップ)という異色のトリオ。これがまた、完全に異国情緒溢れてて盛り上がりました。永積氏、盛り上げ上手だ。そして演者自身がすんごい楽しそう。このあたりから、おとなしく席に座ってみていた観客がドンドン前に行き始める。最後の曲にはSLY MONGOOSEのメンバーも登場。

この人たちはやっぱりシブい。単体で見るのは2回目、ハローワークスや、塚本ソロ、ベース笹沼さん(ハナちゃん)なども含めるといろんな場所で見てはいるのですが、本家に戻ると、その重厚感が印象的です。7拍子の曲でも躍らせてしまったり、キラー曲「Snakes And Ladder」で完全に盛り上げるなど、その存在感を遺憾なく発揮していました。最後にはBOSEがステージで飛び出してくる始末。

今回の主催者ですが、トリではなく後半戦序盤に登場。「3000人のうつ病患者の皆さん、ようこそ」と、一番のうつ病であるリリーさんが、これまた完全にうつな歌詞を、時には絶叫しながら歌い上げ、会場は躁鬱患者が一斉に躁スイッチが入ったかのようでした。バックは相変わらずの鉄壁演奏陣。柔道二段松下敦、痩せた?

来ました、みうら先生。ボブディランのカバー、「カリフォルニアの青いバカ」(!)、「大人の悩みに子供の涙」(!!)を披露。MC控えめで完全にミュージシャンモードでした。みうら先生の歌声は少々ダミ声で非常にかっこいいのです。ロックなみうら先生を知りたければ、「君は千手観音」を聞くべし。ずっと生で見たかったので、感激でした。

そろそろあたりも暗くなりつつなるころに登場。とかく、BIKKEが酔っ払っていました。高校時代に音源だけ聞いてた頃は寡黙な人だとばかり思ってたのに…。ここでも笹沼氏登場。今回一番出番が多い人でした。

ついに、ついに峯田を生で見ることができたよ…。映画「少年メリケンサック」のために髪は金髪。アコギを抱えて「野音にはいい思い出なんかない!(自身のライブでかつて足を骨折した場所のため)」といいつつも、南沙織の「17才」(後に森高千里がカバーしたヤツ)、「東京」、「人間」、ビートたけしの「浅草キッド」を疲労。とりあえず峯田目当ての客のテンションの上がりようったらなかった(オレもそのうちの一人だが)。最後はみうら先生+サンボ山口を迎え、即席ユニット「便所こおろぎ」として披露されたのは。みうら先生の「裏切りはしない」。なんだか「アイデン&ティティ」を想起せざるを得なかった。参りましたとしか言いようがない。帰って速攻銀杏BOYZを聞き返したのは言うまでもありません。

さすがの貫禄。こんな濃いぃメンツのトリを飾るのはこの人たちしかいないでしょう。構成としては4月頭に行われたSAKEROCKのイベント「大先輩」とほぼ変わりませんでしたが、それでも飽きさせません。またロボ宙が「BD発言」のフリップを間違えてたりなんかしてたけど、そんなことはどーでもいいです。観客3000人が最後に向けて爆発したかのように盛り上がっていました。
そして一旦ハけてから登場した2+1MC&1DJは青いワークシャツに身を固め、後ろからはSLY MONGOOSEのメンバーも登場。THE HELLO WORKSの登場です。そして「このイントロを聴いて、ヤバい!と思わなかったらモグリだ!」というBOSEのMC。こ、これは…「今夜はブギーバック」!そしてハナレグミも登場したとたん、会場は一番の盛り上がりを見せていました。そりゃそうでしょう。今回のライブ、来場者の年齢層は若干高めだったから、この曲を知らないやつなんていないハズなんです。「その頃のぼくら」を支えていた「心のベスト10 第一位」だったハズですから。
そんな「ぼくら」であったろう出演者が続々とステージに登場したのは曲の中盤。ウクレレえいじBIKKEを皮切りに、リリーさん、峯田、中納良恵、更には星野源まで。そのときの星野リーダーは、ぴょんぴょん飛び跳ねるなど、例えるなら“ウレション”状態。他のみんなも騒いでました。


非常に内容の濃いぃライブでした。最後はこれまで出演者が登場の際に強制的にやらされていた「ゲッツ!(byダンディ坂野)」で一本〆。…なんか卓球もテレビで好きだと言ってたけど、はやってるのか?あの辺の界隈で。ちなみに元電気のCMJK大根仁監督も来ていたそうです。


ちなみに、入場の際にもらった「ロックンロールタイムズ」というフリーマガジン。相当中身が濃いです。浜野謙太著・絵の官能小説なんていう連載があります。どっからこの制作費が沸いてくるんだ?東京タワーの印税?