「Loser's Parade」

for さえない日々

TOKYO MX「番組名未定(仮)」が凄い

東京在住の皆様、火曜の24:00から東京都の独立UHF放送局TOKYO MXにチャンネルを合わせていましたか?もしご覧になっていなかった方はもったいない!そしてご覧になられた方はあの不思議で異質な放送を体感したかと思います。

倉本美津留タナカカツキバカリズムの『番組名未定』(仮)
日本初、もしかしたら世界初、Ustream誘導テレビプログラム。
TOKYOMXでのテレビ放送とUstream上での生配信の連動企画。
テレビ番組では、「大喜利のお題」だけが流れ続けます。そのお題にUstream上の3人が生配信で答えていきます。

こういう番組があるってのは分かってましたが、いったいどんな内容なのか?というのは一切分からず。「テレビにはお題だけ流れる?」「出演者が登場するのはあくまでUstだけ?」「じゃあテレビのほうはまた別の登場人物がいるの?」など疑問ばかりだったのですが、放送時間になってビックリ。24:00になった途端、MXTVに映し出されたのはただただ文字だけ。

バックには音楽が流れているのみ。タイトルコールやオープニングすらなし。まるで「しばらくお待ちください」の静止画かのように一切動かない。度肝抜かれました。そして盛り上がっているのはUstream上。漫画家のタナカカツキ構成作家倉本美津留、そして芸人バカリズムがテレビ画面に映った大喜利の問に対して回答していく。そして、その回答を、なんとテレビ画面に書き始めた。

なんなんだこれは。これは今、とんでもないことが行われているのではないか?“テレビ上位時代”崩壊の瞬間だったのではないか?だって、地上波で流れているのは単に大喜利のお題だけ。本編はネットでしか見られない。TVが単なる入口としてしか機能していない。TVCMの「詳しくはWebで!」とは規模が違う。TVとTwitterUstreamを今後どのように融合していくかが放送業界のひとつの課題であると想像していたのですが、これはかなり思い切ったことをやったのではないでしょうか。「今、新しいことが起きている!」というので興奮しっぱなしでした。

BAKARHYTHM面白かった。でも、一番面白いボケは、MXTVがあれを放送していること。link
いやー。本当にそう思う。あまりにもシュールだ。


さて、この出来事は放送業界でもちょっと話題になったようで、さっそくTwitterで「アメトーーク」や「さまぁ〜ず×さまぁ〜ず」の構成作家である中野俊成氏がバカリズムに話しかけていました。

tonakan見ましたよ。僕は今、別場所で違ったカタチのUSTとTwitterを連動した番組を企画中です。その企画はあくまでもテレビ放送に軸足を置いた考え方ですが。 RT @BAKARHYTHM 面白かった。でも、一番面白いボケは、MXTVがあれを放送していること。link
BAKARHYTHM僕らは「TVに直接なんか書きたい!」に軸足を置いています。 RT @tonakan: 見ましたよ。僕は今、別場所で違ったカタチのUSTとTwitterを連動した番組を企画中です。その企画はあくまでもテレビ放送に軸足を置いた考え方ですが。link
tonakanそんな欲求があったとは!(笑)これまで書く理由がなかったから書かなかっただけかぁ。RT @BAKARHYTHM 僕らは「TVに直接なんか書きたい!」に軸足を置いています。 RT @tonakan: 見ましたよ。違ったカタチのUSTとTwitterを連動した番組を企画中です。link
この話、個人的には「目から鱗」でした。ちゃんと目的(TVに直接なんか書きたい)があっての手段(TVとUstreamの融合)を取っている。こういった新しい波が来ているときって、どうしてもそれを取り入れたいということが先走り、目的が手段になっちゃうなんてことがよくある。くだらないながらも芯となる「TVに直接なんか書きたい」という目的があってこその「TVに回答欄を載せておいてUstreamでその模様を流せばいいんじゃない?」という手段。だからいろいろな可能性を秘めているのではないか。例えば、この回答フリップは、放送されている地域であり、家庭にテレビ(または電波を受信して映すモニター)があれば誰でも手に入る。そして、ちょっとした機材さえあれば、出演者3人が行っていることと全く同じこと、つまりUstream上で大喜利に対して答えていく姿を流すことができるわけだ。こうなってくると出演者は3人ではなくなってくる。こうした広がりが想像出来るのもワクワクさせてくれる要素の一つなのではないか。


さて、地上波での放送時間30分間を終了した後もUstream上では放送を続けていた。そこで「結局番組名、どうする?」という話になって、一時期「MX DEVIL」なんて名前に決まりかけましたが、最終的には以下のようになったようです。

ustvjapan「番組名未定(仮)」の名前が決定しました。「ホワイトボードTV」です。これはTOKYO MXのテレビオンエアとUSTREAM配信を合わせた、プロジェクト、というと大仰ですが、大人たちの遊びというか、その総称となります。(続く)link
ustvjapanテレビとUST、それぞれ個別の名前がないと混乱するので、「ホワイトボードTV」のあとにテレビの場合は「陰」、USTの場合は「陽」とつけてください。TOKYO MXの番組名は「ホワイトボードTV陰」です。その時間のUST生配信番組の名前が「ホワイトボードTV陽」です。(続く)link
ustvjapan使用例としては「陽ではいま何の曲が流れてるの?」「うちは陰が見られないので陽だけで楽しんでます」「陰面白い! 陽も頑張れ!」という感じかと思います。そして陰と陽を合わせた総称が「ホワイトボードTV」です。そんなわけで、今後とも宜しくお願い致します。link


なお、このときの放送は、ちゃんとアーカイブが存在しています。見逃した方は、その時の雰囲気だけでも感じ取ってみてください。