「Loser's Parade」

for さえない日々

ダイナマイト関西2008〜オープントーナメント大会〜ルミネtheよしもと予選(5)

「今年の夏フェスは、フジロックとD関!」という決意をいたしましたため、行ける限りルミネthe吉本へ足を運ぶ今年の夏。おかげでいろいろなドラマに遭遇しております。そんな今回は、いわゆる“ノンジャンル予選”。芸人以外の方々に加え、WEBで募集した(全部で1,081通の応募があった)中から予備予選を経て参加する方々。まさにオープントーナメント。語らず戦え、の精神です。そんな中、今回の出場者はこちら。

木村館長いわく、「このメンツで雑誌が作れる」。おおひなたごうは事前に出場することを宣言されていて、つい最近「ギャグ漫画家大喜利バトル」を開催(ちなみに優勝はうすた京介。さすが!!)するほどの方。あと噂では聞いていた岡田“レコーディングダイエット” 斗司夫が本当に登場したのに驚き。せきしろさん、マッスル坂井という常連はわかるとして、今回一番驚いたのが椎名基樹参戦!元「人生」のメンバーで「電気グルーヴのオールナイトニッポン」の構成作家だった方ですよ!せきしろさんと「バカサイ」の構成を担当されている方ですよ!「OH!スーパーミルクちゃん」のシリーズ構成をされている方ですよ!これはいよいよ天久聖一が登場する日が近い!この登場だけでかなり興奮してしまいました。そうなったらいっそのこと電気の出場を求む。でも、椎名さんがまさかあんなにゲイっぽい方だとは思わなかった…。「箕輪はるかにクンニ」とか発言してたけど。あと現役よしもと社員の高山は木村館長、MCの清水けんじ、ダイアン西澤の担当。女優の吉原さんはプラン9久馬さんと公演を行ったときに才能を見出されたとの事。
一方WEB予選を勝ち進んだ一般枠の面々は、変ホ長調と同僚であり、ケンコバの大ファンである熊代さん。「哲ひと」というペンネームで「バカサイ」「ファミ通町内会」「ヤンピース」などに投稿しているハガキ職人、新田さん(「哲ひと」って、なんで見覚えがあるんだろーなー?って思ってたら、「落合記念館ゲーム」の第2回に出場され、ロンブー亮と対戦してました)。兵庫県から来た、という情報しかなかった大西さん、作家志望でよしもとの学校に通っているという角さん。そして芸人ながら、一般枠でWEB予選、予備予選を見事に勝ち進んだレオちゃん。芸能生活13年目で「ノーリーズン」という、新沼謙治五月みどり千昌夫が所属している事務所所属のピン芸人。なんだかまったく検討がつかないメンバーでした。
あ、そうそう、ちなみに今回はゲスト解説者として「マーマレード・ボーイ」に乗せてケンドーコバヤシが登場。解説では生「モンチェン」が聞けて、会場拍手喝采。

<第1回戦>
○レオちゃん − ×熊代桃
マッスル坂井 − ×新田哲章
椎名基樹 − ×岡田斗司夫
せきしろ − ×吉原朱美

最初は緊張のせいか噛んでしまったりの熊代さんでしたが、徐々に「毒」を振りまく本領発揮。対して独特のオーラとセンスと絵で量産するレオちゃん。いきなりの打ち合いで、しょっぱなから「ノンジャンルでもスゴいぞ!」と感嘆せざるを得ない感じでした。「世界一怖いお化け屋敷、その理由は?」に対して「いつの間にか住民票がなくなっている」「どうやっても終電に間に合わない」(以上、熊代)がよかった。
期待のマッスル坂井氏は前回見た「RX」のようなパワーアンサーに期待しすぎたか?そして新田さんはまさにハガキ職人のような回答。確かに面白いのだが、熟考してネタを出す「紙媒体・ラジオ」と、自らが媒体となる「舞台」のネタというのはなんか別なのかなー、と思った。どっちが好きか、ということではなく。そして椎名さんはホントに卓球直径の危険さを孕んでました。おもしろオジサンだなー。「ぶっ殺します」とか言ってたし。んでもってオタキングは会場・イベントの空気を読まない感じがなんとも…。とにかく楽しんでいるのはわかった。あとせきしろさんは横綱相撲。吉原さんはファンタジー回答だった。

<第2回戦>
○レオちゃん − ×高山雄次郎
マッスル坂井 − ×大西右人
おおひなたごう − ×椎名基樹
せきしろ − ×角浩靖

こういう場によしもとの社員が出るって、ある意味危険じゃないのか?とか思ってましたが、まあなんか普通でした。でも「犯人に向かって『武器を捨てろ!さもないと…』何?」に対してファーストアンサーで「お前の子供の頭を打ちぬくぞ」と出したのには、なんだか狂気を感じた。恐るべし、よしもと社員。ここでもレオちゃんは独特のテンポで勝利。あと次のマッスル×大西戦は、紹介VTRが終了し照明がついた時点で舞台に登場してしまっていた大西さんが面白かった。(通常は呼び込みのあとに登場。このことについてはみんなが「いや、我々は何も見てません!」と誤魔化していた。コバ以外。)そして気合十分のおおひなた先生は…やっぱイラストが描けるってものすごい武器だなー、と思った。フリップに文字以外の情報も詰め込めるのでやっぱ有利ですね。ただし描くのに時間がかかるというデメリットもあるので、注意が必要。いやー、良くできてる!あと椎名さんはキチガイおじさんということで決定。そして見た目のインパクトがスゴかった角さんは、その姿のインパクトが強すぎて、ちょっと期待はずれ。

<準決勝>
○レオちゃん − ×マッスル坂井
せきしろ − ×おおひなたごう

マッスルさんが思ったより伸びず、反対にレオちゃんが「あれ?このまま行っちゃう?」という雰囲気が出始めていた。「『新婚さんいらっしゃい』で椅子からこける、よりもスゴいリアクションを三枝師匠が開発。それは?」というお題に「文珍に連絡」という回答を出したレオちゃん。その回答の後、慌てて今書いていた回答を下げようとするマッスル坂井。そこに書かれていたのは「文珍が…」という文字…という、奇跡の“文珍カブリ”が発生したのは面白かった。
そしてせきしろさんとおおひなた先生の対決は白熱。文章vs漫画という異なるベクトルでの各々の本領発揮。「『笑っていいとも』で「そうですね」とは返せなかったタモリさんの発言とは?」に対して「あの判決はおかしいよ!」(おおひなた)、「嘘だろ?あいつがオレのことが好き?だってあいつとは妹みたいな…そうだろ?」(せきしろ)という名アンサー続出。また「身内に不幸がありまして…」(おおひなた)という答えをだしていたのですが、家に帰ったら赤塚先生の訃報が入るという偶然。


そして決勝はレオちゃんvsせきしろ。無名の芸人が一般参加者にまぎれて参戦し、決勝まで進むという美談が生まれるのか、それともやはり横綱相撲のせきしろさんが勝つのか。勝負の行方は誰もわからない!という感じでした。でも若干会場はニューヒーローを望むかのような空気。「宇宙人が読んでいる『地球ガイドブック』に書かれていることは?」に対して「だいたい6時くらいに暗くなる」(レオちゃん)、「宇宙人らしい服装で」(せきしろ)などと最初はポイント移動が活発だったものの、1vs1になったところで硬直。正直「行ったか!?」と思った回答でも「続行」の繰り返し。決勝戦は判定がなんとも無常。そんな中、10分以上の硬直状態が続いた後に「美輪明宏が本気を出したらどうなる?」のお題に「江原が少し離れて座る」という回答をだしたレオちゃんにポイント移動の声。

<決勝>
○レオちゃん − ×せきしろ

ということで見事東京ノンジャンルを制したのは一般予選から勝ち上がってきたレオちゃんでした。来週行われるルミネ予選も、はまけんジャズフェスを蹴って見に行きます!ということで今回の印象に残った出囃子は、岡田斗司夫選曲のこれ。曲は知ってるけどなんのアニメかわかりませんでしたが、これでしたか。


それにしても今回一番の衝撃って言うのは、せきしろさんが「箕輪はるかネタ」を連発していたことでした。登場シーンでハリセンボングッズを持ってきてみたり、最後のコメントでは「優勝したら箕輪さんからキスがもらえるはずだったんですが…」などなど。「キャッチフレーズの『バカサイ主義』は椎名さんにお渡しします。ボクは『ラブラブボーイ』とかにしてください」などとも。能町みね子さんが雑誌「m9」の連載で『鈴木おさむと違い、せきしろさんが箕輪さんのことをネタにするなんてやらないと思う。むしろそんなことされたら怒りそう』というような趣旨のことを語っていて、それに同意していたのですが…まあ、でも、絶対あの場ならウケるネタですもんね。逆にあの場だからやったのであって、それ以外の場では絶対やらないような気もする。それほどに、衝撃的でした。


あ、ついにクイックジャパンがダイナマイト関西の特集を組むそうです。発売は8月12日。編集長交代で路線が変わったからもうそろそろQJは卒業かなー、とか思ってたのに、まだまだ離してはくれない様子。