「Loser's Parade」

for さえない日々

川勝正幸に星野源が贈る言葉

先週金曜日のTBSラジオ菊地成孔の粋な夜電波」から「Dig」は、5時間ぶっとおしで川勝正幸特集が組まれ、様々な人のコメントが流れていました。それぞれコメントを寄せた人たちはとっても濃厚で、なおかつ自分が好きな人達ばかり。改めて川勝さんの絶大な影響力を知ることとなりました。


さて、2月1日の水曜日24時。J-WAVEでは星野源の「RADIPEDIA」が生放送されました。川勝正幸さんと星野リーダーは、TVブロスでの細野晴臣との対談連載の構成担当であり、SAKEROCK「songs of instrumental」、ソロ「ばかのうた」のライナーノーツを担当と、要所要所でお仕事をされていました。また、プライベートでも旅行に行ったり、川勝さんのご両親と食事の席を一緒にしたそうな。そんなリーダー、今回の川勝さんの件についてどのようにコメントするのかとても気になっていました。

冒頭、いつもどおり元気にバカバカしく進行していくリーダーですが、「ちょっと今回のテーマとは関係ないですけど…」と言って川勝さんの件について話し出します。しんみりしつつも、昨日散々落ち込んだので今日は明るく行こう!と言い、「川勝さん…おっちょこちょいだなぁ!マジで…」と川勝さんに向けて話していたのが印象的でした*1。その後は通常通りコーナーを進行していったのですが、放送終了間近に再度川勝さんについて触れます。その内容が恐らくリーダーの「献花」のようでしたので、その言葉を書き起こしました。

今回のニュースが出たときに、紹介の記事とかで「サブカルチャーを紹介した編集者・ライター」って書いてあったんですけど、なんか僕ちょっと違うなぁって思ってて。僕、元々「サブカルチャー」ってなんなんだろうってずっと思ってて。ないんじゃないかと僕、思うんですよね。昔は「カウンターカルチャー」って言葉がありましたけど、「サブカル」って言葉がなんかどんどんひとり歩きしてよくわからないようになってる気がします。こういうネット社会になって、「サブ」ってものが存在しないんじゃないかと思ってます。
で、川勝さんの文章にはですね、「サブカルチャー」って言葉はほとんど出てきません。どんな無名な、どんな小さいものでも、必ず「ポップカルチャー」と、とても自分の好きなものとして挙げていました。その姿勢が僕は本当に大好きで、どんなものにでも面白いものがあるんだと、知らないものがたくさんあるんだと僕は学ばせていただきました。なので、本当に「ポップカルチャー」というですね、「面白いものはなんでもポップカルチャーなんだ!」と、その面白がり方を教えてくれた川勝さん、本当にありがとうございました。
またですね、「ポップウイルス」なんて川勝さんが言ってますけど、多分川勝さんは、ウイルスになってしまったんではないかと。川勝さんのウイルスは多分僕たちの中にですね、ずっと蔓延していくのではないかと思ってます。今回のリアクションが本当に大きいのも、そのウイルスに侵された人たちがみんな反応してるんだろうなって思ってます。川勝さん、本当にありがとうございました!


なお、この日は川勝さんが関わった、または川勝さんから教わった曲を選曲してかけていましたが、それがこちら。


その他「今週のリリシスト」という歌詞を深く掘るコーナーでは、クレイジーケンバンドの「あ、やるときゃやらなきゃダメなのよ。」を取り上げ、最後には自らの曲「予想」をかけていました。ちなみに「予想」という曲は、不意に死んでしまった人の目線で歌ったもので、奇しくも今回の件とピッタリ重なってしまう。せいこうさんやスチャの曲も、すべてが贈る言葉。素晴らしい選曲でした。

*1:「Dig」では編集者の辛島いづみさんも「うっかり死んじゃったんだと思う」と同じようなことを言っていました

*2:角張社長が放送中にツイートしてましたが、「カクバリズム5周年」ライブのときには社長がユアソンをバックにしてこの曲を歌っていました